お知らせ
前立腺がんは高齢の男性に多く、これからの社会高齢化に伴い、患者さんが増加することが予想されます。そこで佐久総合病院(本院)の泌尿器科では、前立腺がん治療に関係するさまざまなご相談をお受けし、「経過観察療法」を希望される方のご要望に応えていくことを目的に2023年8月、「前立腺がん観察治療外来」を開設いたします。
<前立腺がん観察治療外来>
場 所 佐久総合病院(本院) 泌尿器科外来内
開 設 日 2023年8月7日(月)~
外 来 日 毎週月曜日14:00~16:00 ※事前予約制
内 容 前立腺がんの治療で心配なこと、経過観察療法導入のご希望 など
予約窓口 地域医療連携室 平日8:30~17:00 TEL 0267-82-3131(代表)
前立腺がんにはさまざまな治療法があるため、その選択に迷われる方が多くいらっしゃいます。前立腺がんのなかには、進行が非常にゆっくりで、急いで治療をしなくても余命に影響しない場合もあります。そのような場合に慌てて治療法を選択すると、治療に伴って有害事象(尿失禁や手術後の痛み、出血など)が発生し、その後の長い生活において不安が増すこともありえます。
このような理由から、今日の長寿社会では、前立腺がんの治療において「経過観察療法」に注目が集まってきています。佐久総合病院(本院)の泌尿器科でも、自分らしい生活を送りながら今の全身状態を大切にし、前立腺がんの経過を見ていきたいとお考えになる患者さんに対して、「経過観察療法」をお勧めしています。
経過観察療法のなかにも「積極的監視療法」、「PSA監視療法」、「待機療法」などさまざまな呼び方の治療法が提唱されています。とくに、より厳格な経過観察療法である積極的監視療法は、世界的に広がってきています。日本国内でもこの治療法を選択される患者さんが増えてきており、多くの皆さんが経過中、前立腺がんに悩まされることなく元気に生活されているとの報告がされています。
経過観察療法の最大の長所は、治療に伴う有害事象に悩まされることなく、前立腺がんとうまく付き合いながら、以前と同様の生活が送れることです。また、経過観察療法を続けることで、がんの進行が分かるため、状況に応じて男性ホルモン除去療法や放射線治療などの治療介入をすぐに行えることも大きな利点となります。
前立腺がんの治療法に悩まれる方は、「前立腺がん観察治療外来」にご相談をお寄せください。事前予約が必要ですので、受診を希望される方は、当院の地域医療連携室へご連絡をお願いいたします。
佐久総合病院(本院)
泌尿器科部長 柏原 剛