佐久市在宅医療・介護の連携体制推進事業(在宅医療連携拠点事業)H26年度
在宅医療連携拠点事業の概要
「長年住み慣れた地域で元気に安心して暮らしたい」、こうした住民の皆様の願いを支えるため、平成23年度・24年度厚労省では、全国より申請のあった事業団体を対象に、「在宅医療連携拠点事業」を実施しました。 本事業では、地域の実情に合ったかたちで医療・介護の連携を推進するとともに、NPO法人やボランティアの方達とも協力し、地域のなかで完結する医療・介護の支援体制構築を目指します。 現在長野県では、地域医療再生計画に基づいて5市町村(佐久市、小諸市、駒ヶ根市、須坂市、小海町)がこの事業に取り組んでいます。
佐久市における在宅医療連携拠点事業の内容
佐久市では、平成25年~27年度にかけ、「佐久市在宅医療・介護の連携体制推進事業」の名称のもと、在宅医療連携拠点事業に取り組んでいます。当院は、佐久市と協働し、この事業の運営に参加しています。
1)医療介護連携推進協議会の設置
市内の職業団体、事業団体、病院、介護事業所、行政関係者、区長の方々をメンバーとし、佐久市における医療・介護の連携の推進、介護給付の適正化について検討を行っています。 平成25年度は、施設での看取りの在り方や、お亡くなりになった方への救急対応について、また、認知症になられた方が在宅生活を送るための相談支援などにについて検討がされました。 平成26年度は、合計4回委員会を開催する予定です。 この委員会で決議された内容は、佐久市における「ローカルルール」として、円滑な医療・介護サービスの提供に活かされます。2)地域包括ケア実践事業との連携
昨年まで佐久市は、医療と介護が連携し、より良い生活支援を提供することを目指し、長野県のモデル事業として「地域包括ケア実践事業」に取り組み、市内5つの地域包括支援センターの各エリアにて「地域別包括ケア委員会」を開催してきました。 この事業自体は昨年度で終了しましたが、医療・介護の連携が果たす役割の大きさ・重要性を考慮し、今年度は佐久市独自の取り組みとして、活動を継続することとなりました。 これまで同様、構成メンバーは行政スタッフ、民生 委員、区長、医師、社協、警察、商店街、介護事業者などとなる予定です。
3)在宅医療24時間体制の整備
在宅療養を行うためには、かかりつけ医・訪問看護・救急病院の連携が欠かせません。さらに体調が不安定な時や、自宅での看取りをご希望されている場合は、24時間体制の医療支援が必要となります。
今年度佐久市では、佐久医師会が中心となり、佐久市内の急性期病院・かかりつけ医・訪問看護ステーションをITシステム(NET4Uというシステム)で結び、在宅療養を希望される方を24時間体制で支える仕組みづくりに取り組みます。
4)急性期病院と介護事業所・施設との連携体制及び信頼関係の構築(佐久総合病院へ事業委託)
佐久市内には佐久総合病院と浅間総合病院の2つの急性期病院が存在します。これら急性期病院は、市の枠を超えた広域から救急患者を 受け入れたり、集約的な専門治療を提供したり、その役割・責務は年々大きくなっています。また、地域の高齢化に伴って、介護が必要な患者が増えており、外 来受診や入退院に必要な介護事業所・施設と連携した支援が増えてきています。 そういったなか、いかに医療・介護の連携を図るべきか、佐久総合病院と浅間総合病院が中心となり、佐久市、消防署、職業団体、事業団体、医療機関、介護事業所・施設の方たちと課題を共有し、解決に向け取り組んでいます。 昨年はカフェ交流会として開催し、100名近い医療介護従事者の皆様が参加しました。ドリンク&スイーツを楽しんで頂きながら、和やかな雰囲気のなか、活発な意見交換がなされました。
そのなかで、今後もこのような意見交換・交流の場を定期的に持つことの必要性を確認しています。今年度の話し合いは、9月1日(月)に予定されています。
※平成25年度の活動(「農民とともに」原稿より)(2.0MB)
5)地域住民への啓発活動
今年も市民の皆さんを対象に、市民公開講座を開催します。今年度のテーマは「エンディングノート」です。 誰もが必ず迎える最期の時。自身の人生を振り返る中で何を思うのか。大切な家族に、何を伝え残すのか。 皆さんと一緒に考えたいと思います。 市民公開講座は、平成27年1月11日(日)の午前、浅科交流文化館で予定しています。 また、市内各所で行われているサロン活動に参加し、健康や医療・福祉にまつわる耳寄りな情報をお伝えしていく予定です。6)多職種連携の促進(佐久総合病院へ事業委託)
平成24年度より、佐久総合病院は「事業所間の交流研修プロジェクト」に取り組んでいます。この取り組みは、希望する佐久市内の医療・福祉機関へ赴き、研修先の業務内容やそこで働いている「人」を知り、また自身についても相手方に知ってもらうことで、交流や相互理解を促進します。
これにより、互いに『顔の見える』関係を構築し、地域における医療・福祉機関の円滑な連携を目指します。
今年度も「事業所間の交流研修プロジェクト」を継続して実施し、多職種連携の質の一層の向上を図ります。
※交流研修パンフレット(910.7KB)
※交流研修受け入れ事業所(平成26年10月31日現在:随時更新します)(227.7KB)
※平成25年度の活動(602.0KB)
7)地域リーダーレベルアップ研修
地域の在宅医療をリードするリーダーを育成することを目的に、市内の医療機関・介護事業者の皆様を対象に研修会を開催します。講師は昨年に引き続き、福井県で在宅診療を中心に活動しているオレンジホームケアクリニックの皆様です。(テーマは検討中) 寸劇を中心に、医療・介護における連携の大切さを楽しく学びます。日程は、1月11日午後に浅科交流文化館の予定です。
※平成25年度の活動(511.3KB)