佐久総合病院 佐久医療センター 【整備計画】

 (仮称)基幹医療センターをどのような病院にするのか。院内で時間をかけて議論をし、「整備計画」としてまとめることができました。そして多くの貴重な機会をいただき、行政や地域の皆さまにご説明をさせていただいております。

基本方針

1)診療機能
 2次・3次救急医療および専門的技術を要する診療機能を中心とした病院とする。佐久総合病院
 が歴史的に培ってきた総合力をさらに高め、患者さんを中心に職種を越えたスタッフが自在に集
 まり、必要とされる医療を提供する。

2)提供する医療の質
 安全で、質が高い医療を迅速に提供し、患者満足度・職員満足度がともに高い病院を目指す。

3)地域医療連携
 ITなども駆使して地域の医療機関との連携を深め、健康・長寿の地域づくりに向けて協働する。

4)教育・研究機能
 医師、看護師をはじめとする医療技術者の教育や研修の場として充実した機能を備える。
 また、臨床の場から生まれた農村医学を継承・発展させ、地に足のついた研究活動を奨励する。

5)地域社会との関係
 地域住民の皆様との交流および文化活動を通じて、ともに地域の発展に貢献する関係を築き、
 開かれた病院とする。

6)社会的な使命と役割
 医療活動の実践を通じて得られた知見に基づいて、情報を発信し、皆がより健やかに暮らすこと
 ができる社会づくりに貢献する。
 また、新病院はエコロジー技術を取り入れ、環境負荷に配慮した病院づくりのモデルを提示する。
 

新病院概要

1)開院目標年度 平成25年度
2)病床数  450床
       救命救急病棟20床、集中治療室等ハイケア病床42床、
       その他一般病床(周産期母子含む)388床

3)敷地面積 約130,000㎡
4)建物規模 病床数450床
       建物面積 46,300㎡(診療棟 26,150㎡、病棟 20,150㎡)
5)外構   駐車場(立体駐車場約300台、平面駐車場約700台)
6)事業費  225億円
       内、建物建設費       約130億円
         医療機器等施設整備費  約60億円
         その他付帯施設整備費等 約35億円

7)重点的に整備する4つの医療機能(詳細については次々頁参照)
       救命救急センター機能     
       脳卒中・循環器病センター機能 
       がん診療センター機能     
       周産期母子医療センター機能

建築コンセプト

1)急性期病院にふさわしい明快な機能構成
・ 水平での機能連携を重視した階構成・部門配置とする。
・ 2階を超急性期フロアと位置付け、救急、手術、集中治療、周産期・周術期病棟を集約する。

2)広大で緑豊かな敷地の特性を活かした療養環境
・ 接地性の高い病棟とし、1階がん病棟からは外の庭を直接感じられる計画とする。
・ 低層の建物とし、長野県らしい、森の中に佇む雰囲気の病院とする。

3)医療の進歩や医療需要の変化に対応する成長する病院
・ 今後医療環境が変化した時に対応できる建築システムとする。
・ 適切な階高の確保と分散設備シャフト(※)により、改修しやすい建物とする。

4) スタッフが誇れる働きがいのある病院
・ 緊張感のある業務からリフレッシュできる気持ちのよいスペースを各所に配置する。
・ 臨床教育・研修スペースの充実を図るとともに、地域に開かれた交流スペースを設ける。

5)佐久地方の気候に根ざしたエコホスピタル
・ 全国有数の日照率を活かし、自然光に満ちた、明るい病院とする。
・ 冬寒く夏は涼しい気候特性に馴染む、自然エネルギーを活用した設備計画とする。

6)様々なリスクへの備えを徹底した、安心・安全な病院
・ 根拠に基づいた適正な安全対策を施す。
・ 災害時の機能維持とともに、水平避難を基本にした患者さんの安全確保を図る。

(※)「設備シャフト」とは建物の各階を通じ、上下水道・電気・ガスなどの設備用の竪管を収納するスペースのこと。
 

基本機能

 

① 基幹医療センターは、原則として救急・急性期医療・専門医療を行う紹介型の病院です。

② 佐久広域、東信地域の基幹病院となれるよう、診断・治療のトップランナーを目指します。

③ 「高機能診断センター」を設置し、地域連携システムを構築し、検査・診断機器の共同利用を
  進め、佐久広域の検査センターを目指します。

④ 地域医療支援病院として地域の医師・研修医、医療従事者の教育に力を注ぎます。

⑤ 東信地域のマグネットホスピタルとして、医師や医療従事者の確保に努めます。

⑥ 生きがいある暮らしが実現できる地域づくりに参加します。また、人々が集える病院を目指し
  ます。

⑦ 総合医療情報部を立ち上げ、医療情報を総合的に収集し、経営、治療成績、クオリティーイン
  ディケーターなどを分析し、公表します。

⑧ 職員が誇りを持って働ける、働きやすい病院を目指します。

⑨ セントラルキッチンを利用した宅配サービスをつくり、自宅でも治療食が食べられる地域を目
  指します。

⑩ 佐久市の提唱する世界最高健康都市構想とも連携し、海外からの視察、利用者・患者の受け入
  れ、海外派遣等を行い国際保健医療への貢献・人材育成を目指します。

⑪  地球環境に優しい病院を目指します。

4つの柱と6つの機能

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鳥瞰・外観図

 南側に病棟、北側には診療棟が配置されます。約1,000台が駐車できるように、駐車場を確保します。また、緑あふれる多目的広場や散策路を作り、住民の皆さまにも健康づくりのために利用していただける病院を作ります。
 また建物は、広大で緑豊かな敷地の特徴を活かし、病棟と診療棟を別棟とした「分棟型」の病院になります。1階は、がん治療病棟、通院治療センター、放射線治療部門などを集約した「がん診療フロア」です。2階は、手術室、集中治療室、救命救急センター、透析室、分娩室、周産期病棟などが集約された「超急性期フロア」です。また、リハビリのある3階は、リハビリと関連の深い脳卒中・循環器病センターなどがあり「リハビリフロア」となります。分棟型にすることにより、水平での機能連携を重視しています。

  •               鳥瞰図
                  鳥瞰図

  •               外観図
                  外観図