1987年に厚生省が専門看護婦・看護管理者の育成を提言して以来、看護師の役割は拡大してきました。当院も、深く研鑽を積んだ看護師が患者さんや地域の皆さんのニーズにより応えられるよう、スペシャリスト(リソースナース)の育成に努めています。
スペシャリストは専門性をもってより質の高い看護ケアを目指し、患者さんの治療や問題解決を支援します。また、周りの他のスタッフをはじめ医療従事者への知識提供や教育支援、看護研究推進などの役割も担っており、院内外で組織横断的に活動しています。
リソースナースの〝リソース(resource)〞は「資源」という意味です。患者さんをはじめ地域住民の皆さん、また医療関係者の皆さんに〝身近な資源〞として広く活用していただけるよう、今後も努めてまいります。
日本NP教育大学院協議会 | 診療看護師 | 1名 |
---|---|---|
日本看護協会認定看護師 | 在宅ケア(特定行為研修修了) | 1名 |
訪問看護 | 1名 | |
摂食・嚥下障害看護 | 1名 | |
認知症看護 | 2名 | |
皮膚・排泄ケア(特定行為研修修了) | 1名 | |
認定看護管理者 | 1名 | |
感染管理 | 1名 | |
日本精神科看護協会 認定看護師(1) |
精神科看護 | 1名 |
専門看護師 | 小児看護 | 1名 |
---|---|---|
母性看護 | 1名 | |
家族支援 | 1名 | |
遺伝看護 | 1名 | |
日本看護協会 認定看護師 |
救急看護(特定行為研修修了) | 1名 |
緩和ケア | 2名 | |
がん化学療法 | 2名 | |
がん性疼痛看護 | 1名 | |
乳がん看護 | 1名 | |
脳卒中看護(特定行為研修修了) | 1名 | |
集中ケア | 1名 | |
手術看護(特定行為研修修了) | 1名 | |
小児救急 | 1名 | |
心不全看護(特定行為研修修了) | 1名 | |
糖尿病看護(特定行為研修修了) | 1名 | |
感染管理 | 1名 | |
皮膚・排泄ケア | 1名 | |
皮膚・排泄ケア(特定行為研修修了) | 1名 | |
摂食・嚥下障害看護 | 1名 | |
認知症看護 | 1名 | |
呼吸器疾患看護(特定行為研修修了) | 1名 | |
認定看護管理者 | 1名 | |
日本精神科看護協会 認定看護師 |
精神科看護 | 1名 |
日本看護協会 認定看護師 |
感染管理 | 1名 |
---|
遺伝看護専門看護師は「対象者の遺伝的課題を見極め、診断・予防・治療に伴う意思決定支援とQOL向上を目指した生涯にわたる療養生活支援を行い、世代を超えて必要な医療・ケアを受けることができる体制の構築と、ゲノム医療の発展に貢献すること」(日本遺伝看護学会)を目的に活動します。
ゲノム医療は「遺伝/遺伝子情報」にもとづく個別化医療で、遺伝看護専門看護師は医師をはじめ多職種と協働してこれを担います。「遺伝子は体の設計図」であるため全身が対象となり、がんだけでなく難病や希少疾患、生活習慣病など多くの病気を扱うため、診療科も広範・多岐にわたります。出生前診断や発症前診断も関わり全年齢が対象で、健康期から病気の発症・療養期、終末期に至るまで包括的に支援します。
普段は定期的に遺伝診療科外来を開き、紹介患者さんを受けています。当院ではがん領域についての相談が多く、がんを発症した方、がん家系の方、遺伝子検査で陽性が出た家族を持つ方の相談を受けたり、検査の調整を行なったりします。
遺伝に関わる諸検査で重要なことは、「本当に検査を受けたいかどうか」を事前に十分確認することです。検査を受けるときは「陰性を知って安心したい」気持ちがあるため、そのままでは陽性だった場合に受ける衝撃が大きくなるからです。話をよく聞き「結果を知ってどうしたいか」の話し合いを事前に何回も行います。病気とその背後にある不安や葛藤、倫理的問題を総合的に捉え、状態に合わせたライフスタイルの提案なども行いながら、本人の持っている力を引き出せるようフォローします。今の医学では治らない場合でも、本人とご家族がよりよく生きられるよう、何がその方にとって最良かを見出せるよう支援します。
私は地域医療や在宅医療など、生活に入る看護をしたくて当院に就職しました。遺伝看護も状態(健康/病気)によらず、全年齢を対象に、生涯を通して療養や生活そのものの支援を行い、個人や家族の生活、そして人生に関わる点で同じと考えています。できることを着実にやっていきながら、患者さん、地域の皆さんがその人らしく生を全うできるよう、多職種で連携しながら活動していきたいと思います。
遺伝看護専門看護師
中村 由唯
診療看護師(英:Nurse Practitioner:ナースプラクティショナ- 略称:NP)とは、大学院の診療看護師養成課程(修士)を修了し認定試験に合格し、一定の診療をおこなうことができる看護師のことをいいます。米国で1960年代に広まったナースプラクティショナー(NP)の日本版にあたり、2010年度から資格認定試験が始まりました。看護師の実務経験5年と5年ごとの資格認定更新が条件にあります。
高見澤診療看護師は、2020年に大学院を修了し、総合診療科医師の指導の下、外来・入院患者・老人保健施設入所している利用者の体調変化に対する症状マネジメントを学びながら、また、2021年には大学院在学中に取得できなかった特定行為区分を追加取得して活動されています。現在、医師の働き方改革における業務改善を行う中、医療現場のタスクシフトなど、在宅医療などでの迅速な対応、医師と多職種の橋渡しなどさまざまな役割が期待されています。
高見澤診療看護師は、やりがいについて「患者の症状に応じタイムリーな医療を提供し、重症化の防止、患者のQOLの向上を図る役割をもって活動できるところ」また、意気込みについて「広い範囲の判断力や責任が求められ負担は大きいです。患者をはじめ、医師や医療スタッフから認められる診療看護師になるにはまだまだ時間がかかりますが毎日が学びです」とおっしゃっています。今後、院内はもとより在宅医療や介護の現場でも診療看護師の力が必要とされ活躍の場は、ますます増えることでしょう。
佐久総合病院グループでは、認定看護師・特定行為研修修了者が多数活躍しています。現在高見澤診療看護師は、外来・入院患者の胃瘻交換、気管カニューレ交換、直接動脈穿刺法による採血などを、在宅においては、胃瘻交換、気管カニューレ交換、膀胱瘻カテーテル交換を行っております。訪問看護など在宅医療の現場では医師が不在の場面が多く、指示を待つと時間がかかり患者の負担が増えてしまいます。しかし、診療看護師がいることで迅速な対応ができ、医師や看護師の負担も減っています。高見澤診療看護師の活躍は、今後も必要ですし、次に続く人材も必要とされるでしょう。
診療看護師
高見澤 巧
当院の看護部に興味のある方は
お気軽にお問い合わせください。