院長からのごあいさつ

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佐久病院は太平洋戦争中の昭和19年1月、20床の病院として開院。翌昭和20年3月に赴任した故若月俊一先生がその生涯をかけた実践を通じて、病院の骨組みを作り、肉付けをして、大きく発展してまいりました。佐久病院の基本的な役割は地域や社会のニーズに深く応える医療活動の実践です。私ども職員はこの佐久病院の魂を受け継ぎ、皆様の命と健康を守ることを使命として日々の活動に邁進してまいります。また、医療活動を通じて地域づくりへの貢献、さらには国際保健医療への貢献も視野に、活動を続けてまいります。

 現在、当院では多くの皆様からのご理解とご支援を賜りながら、病院の分割再構築という大事業に取り組んでおります。平成26年3月1日に佐久総合病院 佐久医療センターが開院いたします。同センターは重篤な疾患の入院診療を中心に、急性期医療に特化した病院です。現在地の臼田には慢性疾患の診療、在宅医療、健康づくりなどを担う佐久総合病院(本院)を再構築します。新しい本院の病棟は平成28年に完成する予定です。病院の分割再構築を通じて地域の医療機関との連携を深め、さらに皆様のお役に立てる医療機関を目指します。

大量消費を前提とする経済成長の考え方に根本的な問題が見え始めた現在、これから本当に大事にしなければならないものは何か、私たち一人ひとりが見極め、選び取らなければいけない時代となりました。世界規模の経済競争のなか、格差の存在を是認する風潮が広がっています。経済格差の拡大は健康格差の拡大に繋がり、犯罪や暴力の温床にもなると言われます。そのような社会になってよいわけがありません。「弱いものを支えるのが人間の義務」なのです。そして、2011年3月11日以降、私たちの”義務”には、東日本大震災と原発事故で今なお困難な状況にある方々への想像力を失わないことが加わりました。

 

佐久総合病院 統括院長 伊澤 敏