在宅医療連携拠点事業

在宅医療連携拠点事業とは

 在宅医療連携拠点事業は、年を重ねても住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最後まで続けられることができるよう、医療・介護の連携を推進する事業です。
 佐久市では、平成25年~27年度にかけ、「佐久市在宅医療・介護の連携体制推進事業」の名称で、在宅医療連携拠点事業に取り組んでいます。
 私たちは、市内の医療・介護関係者はもとより、NPO法人やボランティアの方たちとも協力し、地域の中で完結する医療・介護の支援体制構築を目指します。
 ちなみに現在長野県では、地域医療再生計画に基づいて5市町村(佐久市、小諸市、駒ヶ根市、須坂市、小海町)がこの事業に取り組んでいます。

7つの取り組み(イメージ図)

7つの取り組み~具体的な内容~

1)医療介護連携推進協議会

 市内の職業団体、事業団体、病院、介護事業所、行政関係者、区長をメンバーとし、佐久市における医療・介護の連携の推進、介護給付の適正化について、検討を行っています。 今年度は、合計4回開催する予定です。
 この委員会で決議された内容は、佐久市における「ローカルルール」として、円滑な医療・介護サービスの提供に活かされます。

過去の主な議題
・ 認知症についての医療機関への相談
・ 在宅における口腔ケア
・ 介護現場における医療行為(経管栄養など)
・ 老人ホームにおける看取り体制
・ 処方薬の残薬問題
・ 退院時に行う会議における情報共有
・ 通所介護における医療連携

2)地域包括ケア実践事業との連携

 2025年には、佐久市においても高齢化率が30%を超え、およそ3人に1人が65歳以上の高齢者になると予想されています。そのような中、高齢者になっても住み慣れた地域で尊厳のあるその人らしい暮らしを送れるよう、行政を中心とし、地域の特性に応じ、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されるシステムの構築が求められています。
 その実現に向けた手法として、佐久市では生活圏域ごとに「地域包括ケア委員会」を設置し、地域を支える皆さんとともに、高齢者を取り巻く様々な課題について検討し、高齢者個人に対する支援の充実と、それを支える社会基盤の整備(地域づくり)を同時に図っていくことを目指しています。
 今年度は秋と冬の年2回の開催を予定しています。

3)在宅医療24時間体制の整備

 在宅療養を行うためには、かかりつけ医・訪問看護・救急病院の連携が欠かせません。さらに体調が不安定な時や、自宅での看取りをご希望されている場合は、24時間体制の医療支援が必要となります。
  今年度佐久医師会が中心となり、佐久市内の急性期病院・かかりつけ医・訪問看護ステーションをITで結ぶ「Net4U」というシステムがスタートします。これにより、在宅療養を希望されるかたを24時間体制で支える仕組みづくりに取り組みます。

 

4)急性期病院と介護事業所・施設との連携体制及び信頼関係の構築(佐久総合病院へ事業委託)

 佐久市には、佐久総合病院と浅間総合病院の2つの急性期病院が開業しています。これら急性期病院は、市の枠を超えた広域から救急患者を 受け入れ、集約的な専門治療を提供しています。
 また、地域の高齢化に伴って、地域では介護が必要な患者さんが増えており、外来受診や入退院に必要な介護事業所・施設と連携した支援が増えてきています。
 そういったなか、いかに円滑な医療・介護の連携を図るべきか、佐久総合病院と浅間総合病院が協働し、佐久市、消防署、職業団体、事業団体、医療機関、介護事業所・施設の方たちと交流会を開催しています。
 今年度は、急性期病院・介護事業者の互いの立場や仕事に対する理解を深めるため、勉強会を開催すると同時に、昨年同様の交流会も企画しています。

 

 

5)地域住民への啓発活動

 市民の皆様を対象に公開講座を開催し、知って得する医療や介護にまつわる耳寄りな情報を提供します。
 また、公開講座にお越しになれない高齢者の皆様に向けた啓発活動として、地域のサロン活動に参加し、交流を図ります。
 こうした市民の方たちとの繋がりを通じて、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを送る支援を致します。

6)多職種連携の促進

 高齢者が安心して地域で暮らしていくためには、医療・介護の充実、そして連携が欠かせません。
 そこで本事業では、事業所間「交流研修プロジェクト」と題し、佐久市の医療・介護関係者が、希望すれば他の事業所に出かけ、一日研修できるようにしました。
 実際に今まで自分が知らなかった事業所に行くことで、互いに「顔の見える関係」を構築できたり、信頼関係を構築したりと、成果を上げています。

平成27年交流研修受け入れ事業所一覧(2015/11/11 更新)(247.4KB)

7)地域リーダーレベルアップ研修

 地域の在宅医療をリードするリーダーを育成することを目的に、市内の医療機関・介護事業者の皆様を対象に研修会を開催いたします。
 今年度は「持ち上げない介護」をテーマに全国でご活動している、日本ノーリフト協会代表・安田 敦子先生を講師としてお招きします。実技も交えた体感型の研修会を企画しています。

問い合わせ先(佐久総合病院内)

在宅医療連携拠点事業責任者  地域ケア科医長 小松 裕和
在宅医療連携拠点事業事務局  担当:千野、小林、草間
82-3131(内線3403または3324)Fax82-7846