病理検査部門
病理検査とは
病理診断は患者さんから採取された細胞や組織から標本を作製し、顕微鏡で病気を診断します。この標本を作製するのが臨床検査技師で、顕微鏡で観察して診断するのが病理医です。
当院病理検査室では、常勤病理医1名、非常勤病理医2名(佐久医療センター)、臨床検査技師2名(うち細胞検査士1名)、事務1名が働いており、下記の3つを主に行っています。
業務内容
(1)組織検査(術中迅速診断、蛍光染色なども) : 手術材料、生検材料
****** 組織件数 約1,500件/年、迅速検査件数 約50件/年 *****
『生検』
手術あるいは治療方針を決める為に、発見された病変の一部を採取し病理診断をします。
『手術摘出検体』
摘出された臓器・組織は病理医が肉眼的に詳しく観察し、診断に必要な部分を必要な数だけ切り出し、臨床検査技師が組織標本(必要に応じて特殊な染色・免疫染色もします)を作製します。病理医はその組織標本を観察し、組織型や拡がり、さらなる治療が必要か否かを臨床医へ報告します。
『術中迅速検査』
手術中に採取された病変組織を用いて、リンパ節への癌転移の有無や切除部分断端への腫瘍細胞の有無等を、凍結標本を作製し診断しています。
(2)細胞診検査(術中迅速診断なども) : ex.婦人科、尿、痰
**** 細胞診断 約7,000件/年 *****
喀痰や尿、子宮頸部・体部擦過など患者さんにそれほど痛みを与えず採取し標本を作製する場合と、直接病変部に針を刺して(甲状腺、乳腺、唾液腺、リンパ節など)細胞を得る穿刺吸引細胞診等があり、後者の方が病変部から直接細胞を採取するので高い診断精度が得られます。
(3)病理解剖
生前診断の正誤や病気の病態や死因を判断しますが、事故や犯罪がからむ法医解剖や医学生の教育のために献体していただく系統解剖とは異なるものです。病理解剖は、外見からわかりにくいように皮膚を切開し、診断に必要な臓器をとりだします。病理解剖の結果は、解剖を行った病理医から主治医へと報告され、ご遺族に説明されます。
設備
バーチャルスライドシステム、凍結ミクロトーム、自動免疫装置、マクロとミクロの画像ファイリング装置、蛍光顕微鏡、液状細胞診システム、バイオハザード対応解剖室など。