脳卒中・循環器病センター

ブレイン・ハートチーム

脳卒中循環器病センター脳卒中部門と循環器部門が共同して心原性塞栓症の予防と最新の治療に取り組んでいます。循環器内科では適切な抗凝固療法とカテーテルアブレーション、心臓血管外科では左心耳閉鎖術、脳神経外科では急性期の血栓回収術が行われておりこの3科が定期的に検討会を行っています。また、奇異性塞栓症を発症した症例に対してPFO閉鎖術が当院でも施行可能になりました。

詳細は各科診療案内をご覧ください。

脳卒中部門

脳卒中部門

脳卒中部門は、脳神経外科、リハビリテーション科にて脳卒中急性期治療を行います。24時間体制で脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)に対する精密検査と治療を開始し、早期から積極的にリハビリテーションを行います。また、近年、不整脈等が原因で心臓の中に血栓ができて、その血栓が脳へ飛んでいき脳梗塞になる心原性脳塞栓症が増加しているため、循環器内科・心臓血管外科とブレイン・ハートチームとして合同で治療を行うこともあります。
また、一刻を争う脳卒中治療において迅速な治療ができるように脳卒中(ストローク)チームを立ち上げました。脳外科医・救急医、看護師、薬剤師、放射線技師、事務が協力して治療ができる体制となっています。そして、急性期を過ぎた際に地域の医療機関やリハビリ病院へスムーズに移行できるように、佐久病院脳卒中連携の会を通じて連携担当看護師、ソーシャルワーカーとともに密接な地域医療連携を推進します。

紹介時のお願い

救急疾患は、直接のお問い合わせや受診も可能です。他院にかかりつけの方は、まずはそちらにご相談し紹介状をご持参いただければ、適切な検査、治療に結びつき大変役に立ちます。

診療内容

脳梗塞は、発症から治療までの時間が短いほど治療の効果が期待できます。特に発症から4.5時間以内の超急性期に治療が可能で、脳梗塞がまだ広がっていない方にはtPA静注療法を行っています。通常の治療では溶けない血栓が、強力な血栓溶解剤であるtPAを使用することにより、速やかに再開通することがあります。

しかし、内頚動脈や中大脳動脈などの太い脳血管閉塞になりますとtPAによる再開通率が低いため、発症から16時間以内(場合によっては24時間以内)で脳梗塞がまだ広がっていない場合はカテーテルによる血栓回収治療も行っています。これは、血管の閉塞部位までカテーテルを挿入し、血栓回収デバイスによって直接血栓を回収する治療法です。重症の脳梗塞が劇的に改善する場合もあり、年々治療件数が増えています。また、慢性期の血管の閉塞や狭窄に対しては、血管吻合術、頚動脈内膜剥離術、頚動脈ステント留置術などの外科治療も施行しています。

脳出血では、開頭血腫除去術、内視鏡的血腫除去術を病態に応じて施行しています。

くも膜下出血につきましては、脳動脈瘤が原因の場合には、脳動脈瘤の部位、大きさ、形に応じてクリッピング術、コイル塞栓術を施行しています。未破裂脳動脈瘤につきましても同様に、脳動脈瘤の部位、大きさ、形に応じてクリッピング術、コイル塞栓術を施行しています。クリッピング術においては、手術中にICGを静脈内投与し、特殊なフィルターを用いて血液が流れている部分を観察しています。これによりクリッピングが完全であるかどうか、他の血管を閉塞していないかなどのチェックをすることができます。また、必要に応じて神経モニタリングを併用し、手術後に運動麻痺を生じないかどうか観察しながら手術を行っています。そして、帯状除毛で退院時には手術をしたことが分からないように、美容形成面にも力を入れています。コイル塞栓術は、太ももの付け根や腕の血管から治療用の細い管(カテーテル)を動脈瘤の中まで誘導して、その中を細く柔らかい金属製のコイルで詰めてしまう治療です。開頭することなく治療可能で、脳血管内治療専門医を中心として治療を行っています。

※外視鏡ORBEYE(オーブアイ)の導入

2023年6月より手術用顕微鏡システムの「ORBEYE(オーブアイ)」を導入しました。今回導入したORBEYEは小型の外視鏡(カメラ)を用いて術野を大型の55型モニターに映し、3Dゴーグル(偏光グラス)を着用し手術を行う新しいスタイルの手術顕微鏡システムです。顕微鏡をのぞくことなく、大画面モニターで術野を拡大して手術をします。モニター画像は偏光グラスを着用することによって立体的に映り、3D映画と同じように奥行きを感じられます。画質はフルハイビジョンの4K画像で今までよりも明るく綺麗な画像となりました。

※脳卒中相談窓口について

比較的軽傷で自宅へ直接退院されたり、リハビリテーションを終了してご自宅に戻られても、実際に生活の場や社会に戻ってから困ったことや相談したいことが明らかになることがあります。しかし、当院退院後に外来受診の予定がない場合は、どこに相談したら良いのかわからず困る場合もあるかと思います。そこで、当院では「脳卒中相談窓口」を設置し、脳卒中で当院を退院後に気がついた困りごとの相談を受け付けています。

脳卒中(ストローク)チーム

脳卒中(ストローク)チーム

詳細は各科診療案内をご覧ください。

循環器病部門

循環器病部門

循環器病センターは内科的診療、外科的診療を融合し、医師、看護師、薬剤師ほか医療職専門職や医療職以外の事務職が各々の専門性を活かした連携を行うチーム医療を基本として、地域の皆さまに質の高い医療を提供すべく日々努力を重ねています。
また、東信地域基幹医療施設の循環器医療チームと連携し、東信地域全体の循環器医療の質向上を目指すとともに、経カテーテル的大動脈留置術(TAVI)や補助人工心臓治療など近年の新しい医療では、全国トップレベルの医療機関と連携し、長野県の患者さんが遠方まで行かなくても済むよう満足できる医療を提供することを目標としています。

診療内容

循環器病センターでは従来、内科、外科と分かれていた循環器治療を相互の密接な連携のもとに、多職種もかかわりながらハートチームとして一体となった治療を行なっています。外来はそれぞれの担当医が循環器内科、心臓血管外科として担当しますが、入院病棟は共通で、入院中の循環器内科から心臓血管外科、あるいはその逆の転科なども病棟を変わることがなく、スムーズな連携のもとに治療を行なっています。

各診療科で協働する診療体制

1.ストラクチャーハートチーム

2015年に長野県内初となるカテーテルを用いた経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)を開始し、高齢者の重症大動脈弁狭窄症患者を中心に治療を行い良好な成績をあげています。
また、2022年に経皮的僧帽弁接合不全修復術(Mitral Crip:マイトラクリップ)も導入しました。MitraClipは、カテーテルを用いて僧帽弁をクリップでつまむことで血流の逆流を改善します。胸を大きく切開しないため身体の負担が少なく、入院期間が比較的短くて済むことや、外科手術のリスクが高い方にも実施可能なため、比較的高齢の方や心臓以外の合併症があるハイリスクな方にも治療ができる体制がより充実しました。

2.ショックハートチーム

循環器疾患は緊急治療を要する場合も多々ありますが、救命救急センターや手術室、麻酔科、集中治療室などとの連携のもとに可及的速やかに対応できる体制で対応しています。急性冠症候群に対してDoor to balloon timeは短縮し、2019年より補助循環用ポンプカテーテルであるImpellaを導入、従来のV-A ECMOとともにショックを伴った急性心筋梗塞の救命に成果をあげています。

3.心臓リハビリテーションチーム

循環器疾患では運動療法の重要性が近年大変注目されており、当院においても心臓術後、急性心筋梗塞、心不全の患者の快適な家庭生活や職場復帰、また再発や再入院を予防するために包括的なプログラムを実践しています。従来入院中にしか行うことのできなかった運動療法(心臓リハビリテーション)を退院後もできるよう、リハビリテーション専門外来を開設しました。継続的な外来心臓リハビリテーションも行いながら、訪問看護ステーションや地域の運動施設と連携をとりながらCommunityの中で運動療法を継続する“佐久モデル”を目指しています。また、一般の方や患者さんを対象に定期的に「心臓病教室」も開催しています。

疾患の診療上、診断は大切な機能であり、佐久医療センターでは各種放射線装置、超音波検査装置ほか、高度の診断装置が導入されています。心エコー検査は、弁膜症を中心とした心臓構造異常を生ずる心疾患をはじめ、すべての心臓疾患の診断になくてはならない診断装置ですが、高度な診断機能をもつ3D画面構築の可能な機器で診断を行っています。

疾患の診療上、診断は大切な機能であり、佐久医療センターでは各種放射線装置、超音波検査装置ほか、高度の診断装置が導入されています。心エコー検査は、弁膜症を中心とした心臓構造異常を生ずる心疾患をはじめ、すべての心臓疾患の診断になくてはならない診断装置ですが、高度な診断機能をもつ3D画面構築の可能な機器で診断を行っています。

もちろん、予定の使用に加え、緊急の患者さんにも臨機応変に対応します。また、高度の血管造影装置と国内最大レベルの広さを有する手術室(ハイブリッド手術室)では、TAVIの他、大動脈瘤に対するステントグラフト治療(血管内治療)や末梢血管疾患に対するハイブリッド治療などが行われます。これらの装置を駆使した診断のもとに、当院では適切で質の高い医療を提供します。

循環器内科、心臓血管外科双方にまたがる領域の疾患では、内科、外科医師に各専門職を加えたカンファレンスを中心に、ガイドライン、当院の治療成績などをもとに十分な検討を行い、患者さんに最適な治療の提供を目指します。さらに、今後は重度の心疾患患者さんや、ご高齢の患者さんたちの自宅での生活を少しでも質の高いものにするため、診療所の先生方や訪問看護などとも積極的に連携していきたいと考えています。

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