一般外科

  • 診療内容

    特色

    本院の外科では、一般外科として、様々な外科疾患に対応いたします。外科の疾患は、急激に発症することも多いので、紹介状がなくとも当日に診療いたします。佐久医療センターの専門医たちにも外来診療を協力してもらい、各分野の専門外来も行ないます。

    診療内容

     外科外来は、毎日、診療いたします。午前中の新患担当は、ベテラン医師を配し、専門性に過度にとらわれることなく、総合的に判断していきます。気軽に受診していただけると幸いです。診察や、検査を行い、専門的な治療が必要と判断された場合には、佐久医療センターの該当する専門医に紹介いたします。また、甲状腺・乳腺・呼吸器・消化器・肛門・ヘルニア・血管の各分野において、週1回は佐久医療センターの専門医が専門外来を行ないます。
     本院では、日帰り手術センターを利用して、下肢静脈瘤・鼠径ヘルニア・肛門疾患などの全身麻酔を必要としない疾患の手術を行います。多くの疾患は、1泊2日か日帰りの入院で行い、入院期間の短縮に努めますので、仕事を持って休みにくい方や、お子さんや介護が必要な方がいて長期間の休みを取りにくい方にも利用していただけると考えています。下肢静脈瘤では、血管内治療(高周波、レーザー)を行い、傷の少ない治療を行なっています。

  • 取り扱っている主な疾患

    ・さまざまな外科疾患
    ・下肢静脈瘤
    ・ソケイヘルニア
    ・肛門疾患
    ・小児泌尿器疾患
    ・お子さんの便秘
    など

  • 実績

    平成27年度実績(集計期間:平成27年4月1日~平成28年3月31日)

    患者数
     外来初診患者数 3,998
     新入院患者数 353
     手術件数 320

    ●手術件数

    手術 件数
    下肢静脈瘤血管内焼灼術
    (片側)
    150
    ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 55
    痔核手術(根治手術) 48
    痔核手術(硬化療法) 47
    リンパ節摘出術 33
    肛門ポリープ切除術 17
    痔瘻根治手術 14
    皮膚腫瘍摘出術 8
    乳腺腫瘍摘出術 7
    379

  • 医師紹介

  • 紹介時のお願い

    紹介時のお願い

     専門性がはっきりしている場合には、佐久医療センターの専門医への紹介をお願いいたします。ただ、下肢静脈瘤と肛門疾患に関しては、本院への紹介をお願いいたします。不明な点は、遠慮なく連絡をいただければ幸甚です。

  • 下肢静脈瘤とその治療

    佐久総合病院 心臓血管外科 部長
                     白鳥 一明

    「下肢静脈瘤」とは、足の皮膚の下にある静脈がふくらんで、ボコボコと連なったコブのように見える状態をいいます。この疾患をお持ちの方はけっこう多く、軽いものを含めれば約1割近くの方にあるといわれています。ふくらんでいるだけで、まったく症状のない場合もありますが、皮膚の強い炎症を生じてくることもあります。当院で行なっています、下肢静脈瘤に対する新しい治療法(血管内治療)をご紹介します。

    ●◆下肢静脈瘤とは?

    足(下肢)の静脈は、大きく分けると、筋肉内の深いところにある「深部静脈」と、皮膚のすぐ下を走っている「表在静脈」とがあります。表在静脈は、深部静脈と合流し、その中の血液は心臓に向かって流れていきます。

    また静脈の内側には、立ったときに血液がつま先の方へ落ちていかないように、逆流防止の「弁」がいくつも付いています。 表在静脈の弁が何らかの原因で壊れて、深部静脈から血液が逆流し表在静脈内に血がたまってふくらんだものが、「静脈瘤」です。

    ●◆静脈瘤の症状は?

    静脈瘤があるほうの足が、疲れやすい・むくむ・かゆい・こむら返りがよく起こる・ほてる・痛い、などの症状があります。
    老廃物を含んだ静脈の血液が、皮膚の下に長時間とどまりますと、皮膚に炎症を起こしやすくなります。「うっ滞性皮膚炎」といいますが、皮膚の炎症が長期化してくると、色素沈着をきたして茶色や黒っぽくなったり、皮膚が硬くなったり、ひどい場合は「皮膚潰瘍」といって皮膚が部分的に欠損したような状態になってしまうこともあります。
    その一方で、足の皮膚がボコボコしているだけで、まったく症状を訴えない方もいます。
     

    ●◆どんな人が静脈瘤になりやすい?

    静脈の圧が高い状態が続くと、静脈がふくらんで弁が壊れやすくなります。立った状態では体の下側にある足の静脈圧が高くなりますから、立ち仕事を長時間なさる方、たとえば床屋さんや美容師さん、調理師の方、デパートの店員さんなどがなりやすいといえます。
    また女性は、妊娠出産の過程で、骨盤の中で子宮が大きくなります。大きな子宮が骨盤の中で静脈を圧迫しますと、足の静脈も圧が高くなりますので、静脈瘤ができやすくなります。
    遺伝の関与もいわれており、親や兄弟姉妹に静脈瘤の人がいるとおっしゃる患者さんはけっこういます。
    長時間立ち仕事をされる方、女性、近親者に静脈瘤がある方、などが静脈瘤になりやすいといえます。
     

    ●◆静脈瘤の治療法は?

    主に3つあります。
    1)弾性ストッキング:普通のストッキングより弾力性の強いしっかりしたもので、それをはくことにより表在静脈を圧迫し血液が逆流しないようにして悪化を防ぎます。
    2)硬化療法:ふくらんだ静脈の中に硬化剤という薬を注入し、静脈に炎症を起こさせて血管をつぶしてしまう方法です。逆流の強くない、軽症な静脈瘤に対し行う方法です。
    3)手術治療:皮膚を切開し静脈を糸でしばってしまう方法(高位結紮術)や、静脈を引き抜いてしまう方法(静脈抜去術、ストリッピング)、血管内治療などがあります。
    静脈は網の目のようにありますから、一部分を取り除いてしまっても血液は別のところを通って心臓に戻っていくので、大丈夫なのです。

    ●◆静脈瘤があれば手術しなければいけないの?

    静脈瘤があれば必ず手術しなければいけない、ということはありません。しかし症状が強く、皮膚の変化を生じている場合は手術した方がよいでしょう。一方、症状が強くなくても、静脈瘤があることをとても気に病んでいる方には、手術を行なっています。

    ●◆静脈瘤の血管内治療とは?

    瘤の原因となっている静脈内に細い管(カテーテル)を入れ、その管により高周波やレーザーで静脈を内側から焼いて静脈をつぶしてしまう治療法です。血管内治療では膝の辺に管を入れる小さな穴をあけますが、皮膚を大きく切らずに治療できます。管が入りにくい曲がりくねった静脈の場合は、この治療に向きません。表在静脈が割とまっすぐな、太ももの内側やふくらはぎの裏側の静脈で、血管内治療を行なっています。
    以前は、静脈をすべて引き抜いて取り除いていましたが(ストリッピング術)、それに代わる治療法です。
    くねくねと曲がった太い瘤は、その上の皮膚を小さく(2.3㎜)切開し、カギ状の特殊な細い器具(フック)を用いて引き抜く方法で手術します(スタブ・アバルジョン法)。

    膝の近くから、表在静脈(大伏在静脈)にカテーテルを入れているところです

    静脈内のカテーテルの先端部分を表しています。カテーテルの先端が熱くなり(120℃)、熱で静脈を収縮・閉塞させます

    この血管内治療とスタブ・アバルジョン法の一連の治療は、片側1時間以内の手術時間ですみ、1泊2日の入院で行なっています。

    下肢静脈瘤があり悩んでおられる方は、静脈瘤外来を一度受診してみてください。
    電話で私の外来をご予約いただけます。

    お電話でのご予約は、佐久総合病院予約センターまで。
    電話:0267-82-3131(代表)