胃腸科

特色

当院の胃腸科外来は消化器内科医と消化器外科医が共同で運営しているため、内科的疾患でも外科的疾患でも対応が可能です。

診療内容(外来部門)

 消化器内科医7名、消化器外科医5名、合計12名の消化器医が3-4診体制で外来診療を行っています。対象とする疾患は胃腸疾患のみならず胆膵疾患も含め 消化管全般を担当しています。長野県内の患者さまが多数を占めていますが、最近では全国各地から多くの患者さまが紹介されるようになりました。内科医と外科医が共同で外 来を担当しているため、随時相談しながら適切な治療法選択に努めています。

診療内容(内視鏡部門)

 内視鏡学会指導施設であり、総会評議員1名、地方会評議員4名、指導医2名、専門医8名の他、合計約20名の医師が交代で内視鏡業務を施行しています。平成20年には上部消化管内視鏡検査を約24000件、大腸内視鏡検査を約3300件施行しました。緊急例を除き、原則として予約が必要です。
小腸は長い臓器なので内視鏡の挿入が困難でしたが、当院では長野県で最も早くダブルバルーン小腸内視鏡を導入し、小腸疾患の内視鏡も積極的に行っています。また、2009年からはカプセル内視鏡も導入しました。早期癌に対しては小山部長が開発したHookナイフを用いた内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を施行しています。本法では大きくかつ正確な一括切除が可能であるため、全国から患者様が紹介されると同時に、多くの内視鏡専門医が研修に来ています。平成20年には胃癌200例、食道癌80例のESDを施行し、朝日新聞社の集計した『手術数で分かるいい病院』で、それぞれ全国10位、6位でした。

診療内容(超音波部門)

 日本超音波学会の研修指定施設で15名の医師、4名の技師が検査を担当し、平成18年には1万件を超える腹部超音波検査を施行しました。
カラードップラー、パワードップラー、ティッシュバーモニックイメージング等の最新鋭機を用いて精密検査を施行しています。朝食を摂取せずに10時までに来院された場合は、当日の内に腹部超音波検査を受けることができます。

診療内容(化学療法部門)

 Japan Clinical Oncology Group(JCOG)の斑員として、消化管癌の化学療法を積極的に施行しています。また新規抗がん剤の治験にも積極的に参加しています。昨年度の化学療法を施行した新患者数は、食道18例、胃30例、大腸37例、小腸5例でした。食道癌では局所に限局した症例に積極的に放射線化学療法を行っています。
またStageⅡ/Ⅲの胃癌・大腸癌の術後補助化学療法をルーチンで行っています。転移のある大腸癌患者への化学療法は、CVポートを留置したFOLFOX療法やFOLFIRI療法に常時対応している。化学療法のうちcisplatinを投与する場合や放射線療法を併用する場合を除いては、全身状態が許す限り外来治療への移行を積極的に行いました。通院治療センター開設後、毎月80から90件の外来化学療法を施行しています。

診療内容(学術部門)

 日本消化器内視鏡学会、消化器病学会、癌治療学会、胃癌学会、消化器外科学会、胸部外科学会等の国内学会のみならず、米国消化器病学会(DDW)やヨーロッパ消化器病週間(UEGW)、国際食道疾患会議(I SDE)でも発表を行い当院の治療成績を海外でも発表しています。平成20年の論文・著作執筆は22編でした。また、ESDの技術を普及させるために国立がんセンター、東京大学、自治医科大学、静岡がんセンターと協力し2003年にESD live demonstration seminarを開催しました。これまで、約5000名の内視鏡医や技師が受講しています。2008年からは内視鏡治療のみならず、診断も開設するEndo-Skill Updateという新たなライブデモを開始しました。今回から会場を東京へ移し、当院内視鏡室とを光回線でつなぎました。また、海外からの参加者も多いため一部は英語で行い好評でした。