産婦人科

特色

 産婦人科疾患全般の診療及び母体搬送を含む三次医療まで対応しています。
 産科は小児科との密接な連携のもとに、より安全な周産期管理を目指していますが、できる限り自然分娩を原則としています。
 婦人科は良性・悪性疾患共に治療法の効果と安全性、QOLや予後を充分に考慮し、治療の個別化に努めています。

クリニカルパス

診療内容(産科)

 平成21年の総分娩数は819例、うち帝王切開147例(17.8%)で全国的にみれば低率ですが、ハイリスク妊娠の増加と共に急増してきました。医学的必要性のない限り骨盤位も含め自然分娩を原則としていますが、周産期死亡は低値を維持しています。小児科との連携は密接にあり、分娩時胎児仮死出現時や帝王切開・骨盤位等異常分娩時の立会いは無論、低出生体重児・早産児等の管理、更に新生児室の回診も引き受けてもらっています。合併症を有するハイリスク妊娠は関連各科と密に連絡をとり、慎重に管理しています。帝王切開時の麻酔は麻酔医が担当し、麻酔科と手術室スタッフの協力により、緊急時も迅速な対応が可能です。また助産師による妊婦への個人指導(妊娠初期・後期・退院後1週間検診)を母親学級以外にも行い、妊産婦の援助に努めています。
 母乳晴青を積極的に勧める立場から乳房の自己管理も指導しています。平成13年10月より夫の立ち会い分娩(希望者)を行っています。

診療内容(婦人科)

 平成21年の手術室における手術件数は約250例(悪性疾患の増加傾向が目立ちます)、流産術や外陰小手術等は分娩室で施行しています(約150例)。良性疾患は子宮筋腫・子宮内膜症・良性卵巣腫瘍が主ですが、手術適応や術前ホルモン療法等慎重に検討し術式を決定しています。子宮脱も増加していますが、通常Manchester手術を、時には子宮全摘+吊り上げ術や膣閉鎖術を行っています。悪性疾患は原則として患者さんに病名を伝え、諸検査結果を患者さんと共有し、最善の治療方法を選択していく姿勢を基本としています。子宮頚癌・子宮体癌・卵巣癌が各々ほぼ同数ですが、予後やQOLを熟考し、手術(保存手術・縮小手術・根治手術)化学療法(動注を含む術前化学療法・寛解導入及び維持化学療法)放射線療法を行っています。いずれも治療の個別化を意識した集学的治療を目標とし、全国集計や専門施設での水準に劣らない治療成績を得ています。ターミナルケアでは積極的に疼痛対策をとり、看護スタッフや緩和ケアチームと共にQOL維持に努力しています。不妊外来では一般的不妊検査や治療を行っていますが、体外受精は他施設へ紹介しています