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現場から進化、佐久総合病院のDX

現場から進化、佐久総合病院のDX

現場から進化する、佐久総合病院のDX

農民とともに、地域とともに。DX実現に向けたデジタル化の推進。

佐久総合病院では、2023年度病院方針として「DX実現に向けたデジタル化の推進」を掲げ、デジタル技術を活用し、医療の質と働き方の両立を実現する取り組みを進めています。

当院のDXの特徴は、現場の声から始まる点にあります。現場とDesigner(デザイナー)がともに課題を整理し、理想の業務像を描きます。Developer(デベロッパー)と連携してデジタル技術により実装し、OODAループに基づく迅速な改善サイクルを実現しています。RPAやプログラミングによる業務自動化・効率化を進め、多数の業務改善と時間削減を実現しています。

院内のコミュニケーション基盤として、従来の携帯内線電話に代わりiPhoneとNTTドコモが提供するFMCサービスのオフィスリンク(※)を導入し、モバイル内線環境を実現しました。現在は佐久医療センターを中心に運用し、段階的にグループ全体へ展開しています。さらにMicrosoft Teamsの活用により、多対多の情報共有を実現し、迅速な意思決定とチーム医療の質向上につなげています。

※オフィスリンクは、株式会社NTTドコモが提供元であり、NTTドコモビジネス株式会社が代理人として保有する契約締結権限、および包括的な業務受託にもとづき販売しています。

さらに、iPhoneを中心にナースコール連携、患者認証、記録業務などの統合を進め、現場で完結する業務環境の実現に取り組んでいます。生成AIを活用した音声入力による記録作成や議事録作成など、新たな業務スタイルの導入も進めています。

デジタル化の進展に対応し、マイナンバーカードによる受付や電子処方せん、デジタル署名の導入など、利便性と安全性の向上に取り組んでいます。

佐久総合病院のDXは、デジタル化そのものを目的とするのではなく、現場主体で継続的に改善を行う仕組みづくりにあります。今後も地域医療を支える持続可能で質の高い医療提供体制の実現を目指してまいります。

DX推進体制

当院では、意思決定を担う「DX推進本部」と、現場で実行を担う「DX推進チーム」によりDXを推進しています。 DX推進チームは、業務課題の抽出と理想の業務像を描くDesigner(デザイナー)と、 デジタル技術で実装を担うDeveloper(デベロッパー)が連携し、現場主導の継続的な改善を実現しています。

DX推進本部 ←→ DX推進チーム Designer / Developer
DXの進め方(OODAループ)

当院では、OODAループ(観察・判断・決定・実行)の考え方を取り入れ、現場の課題を迅速に把握し、改善につなげています。 このサイクルを繰り返すことで、スピード感のある継続的な業務改善を実現しています。

観察 → 判断 → 決定 → 実行 を高速に回す改善サイクル

DX推進チームの業務改善事例

申し送り業務を変革した情報収集シート

現場ニーズから生まれたDAISY(※)(情報収集シート) ※DAISY:デイジー(Daily Assist for Instant StudY)
情報のテンプレート化と共有により、誰でも同じ品質で情報収集が可能に
導入効果(Before / After)
従来、申し送り情報は個人の経験や紙ベースに依存しており、 情報収集のための早出や伝達漏れが課題となっていました。
本ツールにより情報収集をテンプレート・共有することで、 業務の効率化だけでなく、看護の質と安全性の向上を同時に実現しています。
DX推進による業務時間削減の軌跡

2023年のDX推進活動開始からの業務時間削減の軌跡

従来業務の時間削減により、本来業務時間の確保に繋がっています。
iPhone導入の軌跡

2023年にiPhone導入を決定し、先行導入による検証を経て本格運用へと展開しました。現在では1,000台を配布し、現場での試行錯誤を重ねながら最適な運用とアプリケーションを構築しています。導入にあたっては、現場の声をもとに段階的に改善を重ねることで、実運用に即した形で定着させてきました。今後は佐久総合病院グループ全体への展開を予定しています。

スモールスタートから佐久医療センター全面展開へ。現場とともに進化してきたiPhone活用の軌跡
iPhoneに関連する主な取り組み
(1) 内線通話
iPhone・固定電話間での内線通話を実現。
場所にとらわれない柔軟なモバイル内線コミュニケーション環境を構築しています。
(2) グループチャット
Microsoft Teamsを活用し、
多職種間での迅速な情報共有を実現。チーム医療の質向上に貢献しています。
(3) セキュリティ・認証基盤
Microsoft IntuneやEntra IDにより端末管理と認証を統合し、安全で効率的な運用の実現を目指しています。
(4) 看護支援モバイルシステム
iPhoneを活用し、患者さんの情報閲覧、注射等の認証、創部写真の撮影登録を現場で完結。業務効率と即時性を向上させています。
(5) ナースコール連携
住友電設株式会社が提供する「SDPhone」を利用しています。SDPhoneは、大きな文字や色で見やすく分かりやすい画面が特徴で、既存電話設備と接続せず、独立して利用可能です。また、BCP対策として、インターネットに接続できない状況でも鳴動するローカルプッシュ通知機能に対応しています。
(6) インカム
手術が多い当院ではインカムニーズが強かったため、Buddycom(バディコム)を採用しました。複数名が同時通話できる体制は医療の安全性が向上し、スタッフの非効率な作業も削減されたため、非常に導入効果が高いアプリケーションの一つです。
(7) リハビリシステム
タックリハビリシステムは、従来のパソコン運用に加え、iPhoneからリハビリ評価を直接登録できるほか、リハビリ処置の実施記録を隙間時間に仮登録できるようになりました。また、iPhoneで当日のスケジュール確認が可能となったことで、スケジュール表の印刷も不要となりました。これにより、パソコンでの記録業務や入力待ち時間が削減され、担当スタッフの業務時間を概ね1日あたり60分程度削減できています。
(8) 生成AI
生成AIの利用により記録等の時間が削減され、本来の業務に職員が集中できるようになりました。例として、カンファレンス、面談、診察、会議等をiPhoneで音声認識し、Ubie(ユビー)生成AIで文字起こしし必要な形式に要約することが可能です。また、紹介状等の文書を写真撮影し文字起こしすることも可能です。この他ガイドライン等をあらかじめ登録しておくことでチャットで質問することも可能です。
iPhone導入に関連するDX効果サマリ

iPhone導入に関連する様々なDX効果

各種iPhoneアプリの利用による業務削減に加えて、+αの派生効果も出ています。
国の医療DXと当院の対応状況
(1) マイナンバーカードでオンライン資格確認
導入済
マイナンバーカード1枚で保険医療機関・薬局を受診することにより、患者本人の健康・医療データに基づいた適切な医療を受けることが可能となります。 当院では、オンライン資格確認等システムにより取得した診療情報等を活用するとともに、マイナ保険証の利用促進など医療DXを通じて質の高い医療の提供に取り組んでいます。
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(2) 電子処方箋
導入済
電子処方箋は複数医療機関で処方・調剤情報を共有し、重複投薬チェックなどを行える仕組みです。
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(3) 医療費助成のオンライン資格確認
導入済
医療費助成をマイナ保険証で受給者証として利用する仕組みです。
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医療費助成オンライン資格確認参加・予定自治体一覧(厚生労働省)
(4) 電子カルテ情報共有サービス
導入予定
全国の医療機関でカルテ情報を共有する仕組みです。
診療情報提供書・健診結果・患者サマリーなどを共有します。
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これからの佐久総合病院DX

iPhoneを中心としたモバイルDXは、佐久医療センターを中心に展開してきました。 一方で、佐久総合病院や小海分院など、各施設の現場からも多くの改善が生まれています。
今後は、各施設で生まれた取り組みを佐久総合病院グループ全体へ展開し、 持続可能な地域医療を支えるDX基盤の構築を目指します。