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神経内分泌腫瘍(NET:Neuroendocrine Tumor)に対するルタテラを用いた核医学治療を2024年から開始しました。この治療ができる医療機関は全国でも少なく、長野県内では2医療機関しかありません。神経内分泌腫瘍は10万人当たり年間6人未満を基準とする「希少がん」とされる疾患ですが、近年では増加傾向にあります。
ルタテラは2021年に保険適用となった医薬品です。適応は神経内分泌腫瘍のなかでもソマトスタチン受容体陽性のタイプ。ソマトスタチンの類似物質にルテチウム177というβ線を放出する放射性物質を結合させた薬剤を投与することで、腫瘍に薬剤を取り込ませ、放射線により腫瘍細胞の増殖を抑えます。この治療法は外科的切除が不可能な場合有効な選択肢とされています。