ペインクリニック科
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診療内容
特色
ペインクリニック科は痛みに対する専門性の高い診断・治療を行うため麻酔科から独立した部門です。長野県は平均寿命は常にトップクラスでありますが、健康で過ごせる時間の指標である「健康寿命」は意外にも全国平均程度です。この健康寿命に一番関与する疾患は、運動器疾患といわれ、なかでもそれら疾患に伴う「痛み」は健康寿命の短縮に大きくつながるものだと考えられます。私たちは、痛みの治療を介して「健康寿命」をより長くするためのお力添えができればと考えます。
治療としては神経ブロック療法や痛みの性状に応じた薬物療法を行います。また、痛みが長期化した慢性痛の場合、不安や抑うつなどの心理的要因が痛みを強めることがあるため、お一人おひとりの症状やお困りごとについて、なるべく時間をかけてお話を伺うよう心がけております。
痛みでお困りのことがございましたら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。診療内容
■神経ブロック療法
注射による神経や神経周囲組織への治療薬である局所麻酔薬などの投与を行う方法です。炎症や圧迫などにより痛みに対して過敏になった神経の状態を改善させたり、痛みにより引き起こされた血行不良を改善させたりすることによって、痛みを軽減させることができる治療です。また、神経ブロック療法による改善の有無により、痛みの正確な部位診断にもつながります。
施行にあたっては超音波診断装置やレントゲン透視下でより安全に正確に行うことを心がけております。また、高周波熱凝固装置を使用することによって、より長期の治療効果が期待できます。
■脊髄刺激療法
外科的治療や神経ブロック、薬物療法などを行ってきても改善されない慢性的な難治性の痛みに対して行われ、背骨の硬膜外腔というスペースにリードと呼ばれる電極を挿入し、脊髄後索と呼ばれる部位に微弱な電流を流して痛みを和らげる方法です。
一般的には、まずリードのみを挿入し、痛みの改善に役立つか試験刺激を行います。
痛みに対して有効であり、引き続きの刺激が必要な際には併せてジェネレーターと呼ばれる小型電池を臀部や腹部に埋め込みます。
■薬物療法
痛みの種類には、大きく分けて侵害受容性疼痛(普段、私たちが感じる一般的な痛み、打撲や切り傷、頭痛など)と神経障害性疼痛(神経自体に問題があり生じる痛み)があり、痛み止めの薬もそれぞれのタイプに応じた薬があります。どのタイプの痛みなのか、正確に診断を行い、的確な薬を使うことが重要です。
■帯状疱疹ワクチン接種
帯状疱疹は、小児期に発症したみずぼうそうの原因ウイルスの再活性化で発症する痛みと皮疹を主症状とする疾患です。
80歳までに3人に1人が発症すると言われ、今後、患者数はさらに増えると言われております。
帯状疱疹は、発症しても適切な治療により1ヶ月程度で改善しますが、2割の方で痛みだけが長引く「帯状疱疹後神経痛」へ移行します。
帯状疱疹、ならびに帯状疱疹後神経痛の予防として有効とされるワクチンがあり、当科にて接種ができます。