外科
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診療内容
特色
本院の外科では、一般外科として、様々な外科疾患に対応いたします。外科の疾患は、急激に発症することも多いので、紹介状がなくとも当日に診療いたします。佐久医療センターの専門医たちにも外来診療を協力してもらい、各分野の専門外来も行ないます。
診療内容
外科外来は、毎日、診療いたします。午前中の新患担当は、ベテラン医師を配し、専門性に過度にとらわれることなく、総合的に判断していきます。気軽に受診していただけると幸いです。診察や、検査を行い、専門的な治療が必要と判断された場合には、佐久医療センターの該当する専門医に紹介いたします。また、甲状腺・乳腺・呼吸器・消化器・肛門・ヘルニア・血管の各分野において、週1回は佐久医療センターの専門医が専門外来を行ないます。
本院では、日帰り手術センターを利用して、下肢静脈瘤・鼠径ヘルニア・肛門疾患などの全身麻酔を必要としない疾患の手術を行います。多くの疾患は、1泊2日か日帰りの入院で行い、入院期間の短縮に努めますので、仕事を持って休みにくい方や、お子さんや介護が必要な方がいて長期間の休みを取りにくい方にも利用していただけると考えています。下肢静脈瘤では、血管内治療(高周波、レーザー)を行い、傷の少ない治療を行なっています。 -
取り扱っている主な疾患
・さまざまな外科疾患
・下肢静脈瘤
・ソケイヘルニア
・肛門疾患
・ピロリ菌感染症
・小児泌尿器疾患
・お子さんの便秘
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実績
2021年度実績
患者数 人 外来初診患者数 2,198 新入院患者数 288
●手術件数
実施術式 件数 下肢静脈瘤血管内焼灼術 136 リンパ節摘出術(長径3㎝未満) 35 痔核手術(根治手術 硬化療法(四段階注射法による)を伴うもの) 33 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 58 痔核手術(硬化療法(四段階注射法によるもの) 17 甲状腺腫摘出術(片葉のみの場合) 10 肛門ポリープ切除術 7 創傷処理(長径5㎝未満・筋肉,臓器に達するもの・真皮縫合) 6 痔瘻根治手術(単純) 6 肛門部皮膚剥離切除術 5 直腸脱手術(経会陰) 5 痔瘻根治手術(複雑) 5 乳房部分切除術 4 下肢静脈瘤手術(高位結紮術) 4 乳腺腫瘍摘出術(長径5㎝未満) 3 副甲状腺(上皮小体)腺腫過形成手術(摘出術) 2 皮膚腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3㎝以上6㎝未満) 2 リンパ節摘出術(長径3㎝以上) 2 甲状腺腫摘出術(両葉の場合) 2 皮膚腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3㎝未満) 1 皮膚腫瘍摘出術(露出部)(長径2㎝以上4㎝未満) 1 試験開胸術 1 痔核手術(結紮術) 1 胸壁腫瘍摘出術 1 胸壁悪性腫瘍摘出術(その他) 1 直腸腫瘍摘出術(経肛門) 1 創傷処理(長径5㎝未満・筋肉,臓器に達するもの) 1 皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3㎝以上6㎝未満) 1 下肢静脈瘤手術(抜去切除術) 1 乳腺腫瘍摘出術(長径5㎝以上) 1 計 353 ●PDCデータ
(入院患者さんが入院期間全体を通じて治療した傷病のうち、最も「人的・物的医療資源を投入した傷病名」です)主要疾患 件数 静脈・リンパ管疾患 95 痔核 39 鼠径ヘルニア 15 甲状腺の良性結節 12 コンパートメント症候群 10 脳梗塞 10 痔瘻 10 乳房の悪性腫瘍 4 乳房の良性腫瘍 4 ヘルニアの記載のない腸閉塞 4 計 203 上位10位までを掲載しています
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医師紹介
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- 部長 石毛 広雪 (いしげ ひろゆき) 卒年1983
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専門分野
・乳腺外科
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取得資格
・日本乳癌学会 専門医・指導医
・日本外科学会 専門医・指導医
・日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会 責任医師
・マンモグラフィ読影講習会講師
・マンモグラフィ読影認定医
・乳房再建エキスパンダーおよびインプラント使用登録医
・超音波読影認定医
・乳房超音波読影認定医 -
所属学会
・日本乳癌学会
・日本外科学会
・日本乳癌検診学会
・日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
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- 部長 白鳥 一明 (しらとり かずあき) 卒年1985
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専門分野
・心臓血管外科
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取得資格
・日本外科学会 専門医
・日本胸部外科学会 認定医
・血管内レーザー焼灼術実施医 -
所属学会
・日本外科学会
・日本胸部外科学会
・日本心臓血管外科学会
・日本血管外科学会
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- 部長 山本 亮平 (やまもと りょうへい) 卒年1993
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専門分野
・呼吸器外科
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取得資格
・日本外科学会 専門医
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所属学会
・日本外科学会
・日本呼吸器外科学会
・日本肺癌学会
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- 副部長 半田 喜美也 (はんだ きみや) 卒年1993
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専門分野
・乳腺外科
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取得資格
・日本乳癌学会 認定医
・日本外科学会 専門医
・マンモグラフィ読影認定医 -
所属学会
・日本乳癌学会
・日本外科学会
・日本臨床外科学会
・日本消化器外科学会
・日本消化器内視鏡学会
・日本癌治療学会
・日本小児外科学会
・日本外科系連合学会
・日本腹部救急医学会
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- 医長 植松 大 (うえまつ だい) 卒年1994
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専門分野
・大腸外科
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取得資格
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所属学会
・日本外科学会
・日本消化器外科学会
・日本内視鏡外科学会
・米国大腸外科学会(ASCRS)
・米国内視鏡外科学会(SAGES)
・日本大腸肛門学会
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- 医師 夏川 周介 (なつかわ しゅうすけ) 卒年1971
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専門分野
・一般外科(消化器外科)
・内視鏡下外科手術
・消化器集団検診
・診療情報管理 -
取得資格
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所属学会
・日本消化器内視鏡学会
・日本診療情報管理学会
・日本農村医学会
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- 顧問 細谷 栄司 (ほそや えいじ) 卒年1980
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専門分野
・消化器外科
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取得資格
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所属学会
・内視鏡外科学会
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- 顧問 西澤 延宏 (にしざわ のぶひろ) 卒年1982
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専門分野
・呼吸器外科
・甲状腺外科 -
取得資格
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所属学会
・日本医療マネジメント学会
・日本診療情報管理学会
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外科
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紹介時のお願い
紹介時のお願い
専門性がはっきりしている場合には、佐久医療センターの専門医への紹介をお願いいたします。ただ、下肢静脈瘤と肛門疾患に関しては、本院への紹介をお願いいたします。不明な点は、遠慮なく連絡をいただければ幸甚です。
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下肢静脈瘤とその治療
「下肢静脈瘤」とは、足の皮膚の下にある静脈がふくらみ、ボコボコと連なったコブのように見える状態をいいます。この疾患をお持ちの方はけっこう多く、軽いものを含めれば約1割近くの方にあるといわれています。ふくらんでいるだけで、まったく症状のない場合もありますが、皮膚の強い炎症を生じてくることもあります。当院で行なっています、下肢静脈瘤に対する新しい治療法(血管内治療)をご紹介します。
●下肢静脈瘤とは?
足(下肢)の静脈は、大きく分けると、筋肉内の深いところにある「深部静脈」と、皮膚のすぐ下を走っている「表在静脈」とがあります。表在静脈は、深部静脈と合流し、その中の血液は心臓に向かって流れていきます。
また静脈の内側には、立ったときに血液がつま先の方へ落ちていかないように、逆流を防止する「弁」がいくつも付いています。 表在静脈の弁が何らかの原因で壊れて、深部静脈から血液が逆流し表在静脈内に血がたまってふくらんだものが、「静脈瘤」です。
●静脈瘤の症状は?
静脈瘤のある足が、疲れやすい・むくむ・かゆい・こむら返りがよく起こる・ほてる・痛い、などの症状が出てきます。
老廃物を含んだ静脈の血液が、皮膚の下に長時間とどまりますと、皮膚に炎症を起こしやすくなります。「うっ滞性皮膚炎」といいますが、皮膚の炎症が長期化してくると、色素沈着をきたして黒ずんできたり、皮膚が硬くなったり、ひどい場合は「皮膚潰瘍」といって皮膚が部分的に欠損したような状態になってしまうこともあります。
その一方で、足の皮膚がボコボコしているだけで、まったく症状を訴えない方もいます。●どんな人が静脈瘤になりやすい?
足の静脈の圧が高い状態が続くと、静脈がふくらんで弁が壊れやすくなります。立った状態では体の下側にある足の静脈圧が高くなりますから、立ち仕事を長時間なさる方、たとえば床屋さんや美容師さん、調理師の方、デパートの店員さんなどがなりやすいといえます。
また女性は、妊娠出産の過程で、骨盤の中で子宮が大きくなります。大きな子宮が骨盤の中で静脈を圧迫しますと、足の静脈も圧が高くなりますので、静脈瘤ができやすくなります。
遺伝の関与もいわれています。長時間立ち仕事をされる方、女性、近親者に静脈瘤がある方、などが静脈瘤になりやすいといえます。●静脈瘤の治療法は?
主に3つあります。
1)弾性ストッキング:普通のストッキングより弾力性の強いしっかりしたもので、それをはくことにより表在静脈を圧迫し血液が逆流しないようにして悪化を防ぎます。
2)硬化療法:ふくらんだ静脈の中に硬化剤という薬を注入し、静脈に炎症を起こさせて血管をつぶしてしまう方法です。軽症な静脈瘤に対し行う方法です。
3)手術治療:皮膚を切開し静脈を糸でしばってしまう方法(高位結紮術)や、静脈を引き抜いてしまう方法(静脈抜去術、ストリッピング)、血管内治療などがあります。
静脈は網の目のようにありますから、一部分を取り除いてしまっても血液は別のところを通って心臓に戻っていくので、心配ありません。●静脈瘤の血管内治療とは?
血管内治療には、「血管内焼灼(しょうしゃく)術」と「血管内塞栓(そくせん)術」とがあります。これらは、かつてスタンダードな手術であったストリッピングに代わる治療法です。
まず「血管内焼灼術」ですが、瘤の原因となっている静脈内に細い管(カテーテル)を入れ、その管により高周波やレーザーで静脈を内側から焼いて静脈をつぶしてしまう治療法です。管を入れる小さな穴をあけますが、ストリッピングのように皮膚を大きく切らずに治療できます。膝の近くから、表在静脈(大伏在静脈)にカテーテルを入れているところです
静脈内のカテーテルの先端部分を表しています。カテーテルの先端が熱くなり(120℃)、熱で静脈を変性・閉塞させます。
管が入りにくい曲がりくねった静脈の場合は、この治療に向きません。表在静脈が割とまっすぐな、太ももの内側やふくらはぎの裏側の静脈で、血管内治療を行ないます。
くねくねと曲がった太い瘤は、その上の皮膚を小さく(2.3㎜)切開し、カギ状の特殊な細い器具(フック)を用いて引き抜く方法で手術します(スタブ・アバルジョン法)。この血管内焼灼術とスタブ・アバルジョン法の一連の治療は、片側30~40分の手術時間ですみ、日帰りもしくは1泊2日の入院で行なっています。ただし手術後1ヶ月弾性ストッキングをはいて足を圧迫する必要があります。
「血管内塞栓術」は、下肢静脈瘤に対する最も新しい治療法です。静脈内にカテーテルをいれ、その先から医療用に開発された瞬間接着剤を注入し血液と反応(重合)させることで閉塞させます。いっぺんに静脈の全長に渡って閉塞させることはできませんので、3cmずつ固めていきます。この治療法の最大のメリットは、手術後に弾性ストッキングをはかなくてもいいということです。弾性ストッキングをはくのはけっこう力が必要なので、手に力が入りにくい方や、ご高齢の方には特におすすめです。
また皮膚1カ所のみの局所麻酔で治療が完了しますので、患者さんにとって負担の少ない手術と言えます。
更には、焼灼術と違い熱を用いませんので、熱によるやけどや神経損傷などを生じることがありません。抗凝固薬や抗血小板薬の服用中でもでき、日帰り手術が可能です。
しかし、瞬間接着剤にアレルギーがある方にはできません。つけまつげでかぶれる方や、シックハウス症候群の方はやめておいた方がいいです。
また、足に大きな傷があったり、感染症を合併している場合も避けた方がいいです。
全身の炎症性の疾患をお持ちの方も、この治療を行わない方が無難です。●静脈瘤があれば手術しなければいけないの?
静脈瘤は良性疾患であり、必ず手術しなければいけない、ということはありません。しかし症状が強く、皮膚の変化を生じている場合は手術した方がよいでしょう。ですが、症状が強くなくても、静脈瘤があることをとても気に病んでいる方には、手術を行なっています。
下肢静脈瘤があり悩んでおられる方は、静脈瘤外来を一度受診してみてください。
電話で私の外来をご予約いただけます。
お電話でのご予約は、佐久総合病院予約センターまで。
電話:0267-82-3131(代表)