心臓は毎分60~100回のリズムで規則的に収縮し、血液を送り出しています。
このリズムは、「刺激伝導系」という、特殊な心筋群からなる連絡路を電気信号が通ることでコントロールされています。
この刺激伝導系のどこかに異常が生じ、電気信号が乱れた状態を不整脈といいます。
不整脈には、脈拍が遅くなる「徐脈性不整脈」と、脈拍が速くなる「頻脈性不整脈」に分けられます。
徐脈性不整脈に対する主な治療はペースメーカ治療であり、頻脈性不整脈に対する治療がカテーテルアブレーション治療です。
頻脈性不整脈というのは総称で、さらに分類すると「発作性上室頻拍」、「心房粗動」、「心房頻拍」、「心室頻拍」などの種類があります。
なかでも最も有名なものは「心房細動」です。日本では70万人以上が心房細動を持っており、今後100万人を超えてくるといわれています。
心房細動には、脈のリズムが完全に不規則となり頻脈になりやすいという特徴があります。
最初はときどき心房細動が出現する「発作性心房細動」のことが多いですが、経年的に持続型の「持続性心房細動」へ移行します。
心房細動は脳梗塞や心不全、心臓弁膜症などになるリスクとなります。
動悸や胸苦しさ、息切れなどの症状が現れ、極端に脈が速くなるとめまいやふらつき、場合によっては失神することもあります。 ただし症状の出方には個人差があり、まったく症状のないことも珍しくありません。
薬物治療では、ある程度発作の頻度や脈拍のコントロールはできますが、不整脈を根本から治すことはできません。 一方、カテーテルアブレーションでは、不整脈の原因そのものを治療するため根治を目指すことができます。
足の付け根や首の静脈から「カテーテル」という管を心臓まで入れ、不整脈の原因となる異常な電気信号を発生する部位を、高周波の電流を当てて壊死させます。
うまく治療できれば不整脈は完治しますし、体の負担も少なく済みます。
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