代謝・内分泌・糖尿病教室

特色

 糖尿病、高脂血症、甲状腺疾患などの診療を主に行っています。特に近年増え続ける糖尿病の診療に努力しています。糖尿病教室は外来・入院の2つのコースを用意し、それぞれの患者さんの状況に合わせて参加できるようにしています。
 また、高脂血症などの生活習慣病の指導、内分泌疾患の精査・治療も行っています。

クリニカルパス

診療内容(糖尿病)

 糖尿病教室(後述)をはじめとした糖尿病教育に力を入れております。入院・外来の糖尿病教室をはじめとして、管理栄養士による個別栄養指導、看護師による在宅療養指導を随時行っております。外来でのインスリン導入も行っております。また、連携パスなどを利用していただければ、合併症評価もしっかり行わせていただきます。
糖尿病患者会「さくの会」もあり、日本糖尿病協会の支部の一つとなっています。現在約80名の患者さんが会員として活動しています。

診療内容(その他の生活習慣病)

 高脂血症を中心として生活習慣痛の治療も行っています。頚動脈超音波検査やABI/PWVなどの検査による動脈硬化の検査を積極的に行っています。

診療内容(内分泌)

 内分泌疾患の精査・加療を行っています。手術が必要な場合は、外科、脳外科、泌尿器科などと連携をとり治療しています。なお、甲状腺腫瘍の精査は、外科へ紹介していただくようお願いいたします。

糖尿病教室

 糖尿病の御紹介が大変多くなりました。そのため御紹介に対する当院での対応を書かせていただきます。
 糖尿病の患者さんには、入院・外来糖尿病教室、糖尿病地域連携クリニカルパス(SDNet地域連携パス)など、さまざまな方法を準備しています。先生方の患者さんに上手に利用していただけると、合併症で苦しむ方を少しでも減らせるのではないかと考えております。御協力をよろしくお願いいたします。
 なお、SDNet地域連携パス(後述)は佐久医師会、小諸北佐久医師会のみで運用しております。運用が軌道に乗りましたら、他の医師会の先生方にもご利用いただけるように致します。

●入院でコントロールを改善したい

 入院の承諾をとっていただき、御紹介ください。
佐久医師会・小諸北佐久医師会の先生はSDNet地域連携パス(2)をご利用ください。退院後は、先生とご本人がよければ、連携パス(1)へ移行致します。
入院糖尿病教室に参加しますが、御高齢の方などで集団教育が難しいと考えた場合は、個別の対応にさせていただくことがあります。また、インスリン導入が必要な方は、2週間入院が望ましいと考えています。

【佐久医師会の先生】→【入院の承諾後に地域連携室へSDNe燵携パス(2)で紹介】
【受診入院予約】→【入院】→【入院糖尿病教室参加】→【退院】→【3ヵ月後逆紹介】→【状況によって連携パス(1)】

●外来でコントロールを改善したい

【 糖尿病教室で基本的なことを学ばせたい 】

糖尿病と診断されて間もない方は、外来糖尿病教室(後述)をご利用ください。半日で終了ですが、糖尿病の基本、食事・運動療法の基本などをお話します。
原則として第2・第4土曜日に行っています。地域医療連携室を通して外来糖尿病教室を予約してください。

【すべての先生】→【地域連携室へ通常の紹介】→【予約日に受診】

【 外来インスリン導入を行ってほしい 】

外来でのインスリン導入を行っています。できる限りSMBG(自己血糖測定)も行いますので、使用できるSMBα)機種を明記していただき御紹介ください。
 なお、外来インスリン導入の場合は、良好なコントロールに持って行くのに6ケ月から1年ほどかかると思われます。通常は内服治療を継続したまま、インスリンを上乗せします。
 基本的に3~6ケ月をめどに、先生方へ逆紹介させていただきますが、その後のインスリンの管理が不安な場合は、佐久医師会のSPNe t地域連携パス(1)などで継続する方法をお奨めします。

【すべての先生】→【地域連携室へ通常の紹介】→【予約日に受診】→【3~6ケ月後逆紹介】

【 インスリン・入院は拒否しているが、コントロール不良のため紹介したい 】

SU剤を極量近く内服している方は、通常我々が治療しても内服でのコントロールは困難です。
このような御紹介もお受けしますが、セカンドオピニオン的な対応をさせていただきます。すなわち、御紹介元の先生の方針に基づき、当方の考えを患者さんにお話し、治療方針を検討させていただきます。

従いまして、「コントロール不良ですのでお願いします」といった御紹介は、ぜひ避けて下さい。先生の治療方針、患者さんが入院・インスリンを拒否している理由などを記載していただけると大変助かります。

【すべての先生】→【地域連携室へ通常の紹介】→【予約日に受診】

●定期的に合併症の検査を行いたい

佐久医師会・小諸北佐久医師会の先生方は、SDNet地域連携パス(1)(後述)をご利用ください。

【佐久医師会の先生】→【地域連携室へSDNet連携パス(1)で紹介】→【受診予約】→【初回受診】→【6ヶ月毎に受診】

●合併症治療のため紹介したい

合併症は、軽症であれば私たちが診療させていただきますが、入院が必要なほど重篤な状態であれば、合併症の種類により、それぞれの専門科に御紹介いただきたいと思います。各専門科から依頼されれば、私たちも血糖コントロールのために併診させていただきます。

【すべての先生】→【地域連携室へ通常の紹介】→【予約日に受診】

●糖尿病教室の特色

働き盛りの方が参加しやすいように1週間(8日間)のコースで行っています。クリニカルパスを使用しています。水曜日に入院し、翌週の水曜日に退院します。
インスリン自己注射を同時に導入する場合は、2週間の入院を勧めています。
なお、教育入院の御希望で紹介いただいた方でも、御高齢の方や理解力等の問題で集団指導が困難と判断した場合は個別指導にさせていただく場合もあります。御了承下さい。

【 予約方法と入院までの流れ 】
(1)地域医療連携室を通して大橋医師の外来を予約してください。
(予約当日に入院するわけではありません)
御紹介状をお願いします。佐久医師会・小諸北佐久医師会の先生はDNet(2)を御利用ください。
(2)患者さんが受診しましたら、診察後に入院日を決め入院の予約をします。
(3)同日に看護師、栄養士が以下のことを行います。
①入院までの食事調査の説明
②病歴の聞き取り
③入院当日の説明
(4)入院日までの食事調査を持参して入院となります。

1週間の入院の中で、糖尿病診療スタッフがチームを組んで指導にあたります。毎日の教室で、理解できなかったところは病棟看護師が復習を行うなど、少しでも理解できるような指導を心掛けています。入院中に合併症の検査も行っています。
退院時に各患者さんに課題を与え、退院1ケ月後に再診し、どの程度達成されているかを確認します。基本的には退院後3ケ月までは当院に通院していただき、その後先生方へ逆紹介するようにしています。
佐久医師会・小諸北佐久医師会の先生は引き続きSDNet(1)のご利用をお勧めします。
教育入院が成功するためにもっとも大切なのは、各患者さんのやる気です。努力しているのになかなかコントロールが改善しない患者さんは是非ご紹介下さい。

●お願い

一部の患者さんに受診後、入院を拒まれる方がいらっしゃいます。できましたら、入院の承諾だけは主治医の先生方からの説得をお願い致します。

診療内容(外来糖尿病教室)

外来の糖尿病教室は第2・第4土曜日の9:00~12:00に行っています。毎回3名~10名程度の患者さんが参加します。医師、管理栄養士、看護師、健康運動指導士が担当します。糖尿病といわれて間もない方におすすめです。

●予約方法

地域医療連携室を通して、第2・第4土曜日の外来糖尿病教室を予約してください。この時、指示エネルギー量の情報が必要になります。指示されていない場合は、身長・体重を教えて下さい。こちらで設定させていただきます。
当日は8:45までに来院していただきます。患者さんは、来院したら、当院の糖尿病テキスト(840円)を購入していただきます。糖尿病手帳をお持ちの方は、当日持参させてください。
※以前は採血・採尿検査と内科診察を行っていましたが、現在は診察は行いません。(初診料はかかります)
※報告書は、管理栄養士による栄養指導報告書のみになります。

●外来糖尿病教室のスケジュール(第2・第4土曜日)

9:00~10:00
糖尿病ってどんな病気(医師)
10:00~10:45
楽しく運動しよう(健康運動指導士)
10:45~11:30
食事の注意のポイント(管理栄養士)
11:30~12:00
定期的に外来にかかりましょう(看護師)

SDNet地域連携パス

平成20年1月より運用を開始した佐久医師会の糖尿病地域連携クリニカルパスです。現在は佐久医師会・小諸北佐久医師会で運用しております。運用が軌道に乗りましたら、他の医師会の先生方にも御利用いただけるように致しますが、佐久医師会・小諸北佐久医師会以外の先生方の御利用は、もう暫くお待ち下さい。
 SDNet(佐久平糖尿病ネットワーク)は、2004年に「佐久平地域から糖尿病で苦しむ患者を出さない」をスローガンに、病院と診療所の医師の連携を目的として佐久医師会内に発足しました。この活動の一つとして、「SDNet地域連携パス」が誕生しました。
 このパスは、浅間総合病院、千曲病院、佐久総合病院を基幹病院とし、地域の医療機関(かかりつけ医)との診療連携を円滑に行うために作成しました。ぜひ積極的な御利用をお願いいたします。

●言葉の表記について

・基幹病院:糖尿病の検査・指導・教育入院などが行われ、このパスを運用できる医療機関(現在は、浅間総合病院、佐久総合病院、千曲病院の3病院です)

・かかりつけ医:一般病院・開業医で糖尿病を非専門に診療している医師

●2つの連携パスの説明

【 連携パス(1) 】

かかりつけ医と基幹病院を一定の間隔で両方を受診する形式です。つまり、主治医が2人になると考えていただければ良いかと思います。主な治療はかかりつけ医の先生へお願いし、病院への受診は6ケ月に1回と致します。

【 連携パス(2) 】

かかりつけ医の先生からコントロール不良の方を御紹介いただき、基幹病院で治療後、かかりつけ医の先生方へ逆紹介させていただくものです。教育入院が原則となりますでの、入院に同意できる方を対象とさせていただきます。
 コントロール不良の目安は「HbAIc8%以上」としていますが、8%未満でも必要であれば御紹介下さい。教育入院の内容は、前述「入院糖尿病教室」を御参照下さい。
 なお、連携パス(2)の後に、連携パス(1)を続けて使用する場合も考えられます。

●かかりつけ医の登録

この連携パスを円滑に利用していただくために、かかりつけ医は登録制と致します。
かかりつけ医になっていただける先生は、佐久総合病院地域連携室に御連絡下さい。 登録は随時行います。

●連携パス(1)の運用方法

【 開始方法 】

①専用の診療情報提供書(患者プロフィール)を記入し、1枚目を基幹病院へFAXし予約をお取り下さい。
②2枚目にプロフィールの詳細を記入して、予約日に患者さんに持たせて下さい。

【 6ケ月に1回の基幹病院受診方法 】

①2ケ月前にかかりつけ医より病院に専用の予約用紙でFAXにて予約をお取り下さい。その際、同時に行いたい検査を御記入下さい。当日の予約をとり、折り返しご連絡いたします。

【 ルーチン検査 】
(1)毎回受診時に行うべき検査
血糖値(空腹時・随時は問わない)、HbAIc、尿定性検査
(2)6ケ月に1回は行う検査・指導
脂質検査・尿中微量アルブミン、栄養指導、在宅療養指導(インスリンの方のみ)、フットケア
(3)年に1回は行うべき検査(患者が拒否する場合もあるので、義務とはしません)
胸部Ⅹ-p、ECG、上腹部超音波、上部消化管内視鏡、頚動脈超音波、ABI/PWV・人間ドック・
健康診断に準じた血液スクリーニング検査(人間ドック・健康診断を受診していれば不要)
【 連携パス(1)の終了(バリアンス) 】
(1)コントロール悪化、重篤な糖尿病合併症の発症
(2)他の重篤な疾患(進行がんなど)の発症
(3)ADL低下による通院困難
(4)その他、連携パス継続が困難と判断された場合

●連携パス(2)の運用方法

【 開始方法 】
(1)専用の診療情報提供書(患者プロフィール)を記入し、1枚目を基幹病院へFAXして予約をお取り下さい。
(2)2枚目にプロフィールの詳細を記入して、予約日に患者さんに持たせて下さい。
【 基幹病院受診後の流れ 】
(1)外来受診していただき、教育入院(入院糖尿病教室)の予約をとります。
(2)教育入院中は、各病院の指導方法(教育入院)に沿って、教育・検査等を行います。
【 退院後 】
(1)患者さんの状態や希望により、以下のいずれかを選択します。選択は基幹病院で行います。
A)かかりつけ医の先生に逆紹介させていただく。パスは終了する。
B)逆紹介させていただき、連携パス(1)を開始する。
C)基幹病院での診療を継続する(合併症がひどい場合など)
【 連携パス(2)の終了(バリアンス) 】
(1)重篤な糖尿病合併症の発症により、教育入院が困難な場合
(2)他の重篤な疾患(進行がんなど)の発見
(3)認知症などにより教育効果が期待できない場合
(4)その他、連携パス継続が困難と判断された場合

●何か御不明な点があれば、下記へお問い合せ下さい。御協力をよろしくお願いいたします。

SDNet地域連携パス事務局: 佐久総合病院 地域医療連携室 TEL0267-82-3131