呼吸器

特色

 肺癌を主な対象疾患としていますが、転移性肺腫瘍、自然気胸・縦隔腫瘍など呼吸器外科疾患全般を取り扱っています。胸腔鏡を用いた手術を積極的に取り入れており、半数以上の手術が胸腔鏡下に行われています。また、手術を必要として紹介された患者さんは、原則として2週間以内に手術するようにしています。

クリニカルパス

診療内容

 肺癌を主に、転移性肺腫瘍、自然気胸、縦隔腫瘍など呼吸器外科疾患全般を幅広く取り扱っています。呼吸器外科としての年間の手術数は約180例です。内訳は、原発性肺癌が約90例、縦隔腫瘍約20例、転移性肺腫瘍約20例、膿胸約5例、自然気胸約15例などです。
 肺癌では、肺葉切除とリンパ節郭清を標準術式としていますが、縮小手術、拡大手術、気管支形成手術なども積極的に行っています。I期、Ⅱ期、ⅢA期を主な手術対象としていますが、根治性のある場合には、ⅢB期も手術しています。術後補助化学療法が必要な場合には内科とも連携して行っています。80才以上の超高齢者の手術も積極的に行っており、年間10例前後の件数があります。また、径2cm以下の小型肺癌や超高齢者、ハイリスク症例に胸腔鏡補助下肺葉切除術を行って侵襲の軽減に努めています。肺癌症例のほぼ全例に病名を告知して、本人の了解と納得のもとに手術するように心がけています。
 腫瘍による中枢性気道狭窄には、硬性気管支鏡を用い、YAGレーザーによる腫瘍の焼灼やステント留置を行っています。
 肺癌以外の症例では、可能な限り胸腔鏡を用いた術式を選択して、患者の負担軽減に努めています。自然気胸の約9割、縦隔腫瘍の約8割、転移性肺腫瘍の約8割、膿胸の約8割が胸腔鏡下の手術で行われています。  手術後の疼痛管理として手術症例のほぼ全例に持続硬膜外麻酔を用いて、可能な限り疼痛を軽減するように心がけています。
 日帰り手術センターと協力して、手掌多汗症は1泊2日、自然気胸は2泊3日の短期入院手術も行っています。
 手術が必要な重度胸部外傷は年間5例前後あり、救命救急センターと協力して、24時間体制で対応しています。