消化器

特色

 食道から直腸肛門までの消化管及び肝胆膵領域の悪性疾患を中心に、良性疾患である胆石、肛門疾患、小児及び成人ヘルニアまで全ての消化器及び腹部外科疾患の診療に携わっています。年間の手術件数は1934件で、全身麻酔手術は1521件になります(平成20年度)。また救急救命センターとの連携で急性腹症、外傷など救急医療にも24時間対応しています。日帰り手術センターでの日帰り及び短期入院手術も積極的に行なっています。

クリニカルパス

診療内容(消化管)

  食道から直腸肛門までの悪性腫瘍を中心に手術を行っています。

  手術件数は食道癌 17例、胃癌 110例、大腸癌180例でした。

  進行癌は、従来通り開腹手術が中心ですが、早期癌や大腸進行癌には低侵襲手術を目指し積極的に腹腔鏡下手術を導入しています(胃癌 35例、結腸癌70例、直腸癌50例)。

 その他機能温存手術として早期胃癌では、噴門側胃切除、幽門温存胃切除、神経温存胃切除を採用しており、また下部直腸癌では自然肛門を残し人工肛門による生活の質の低下を少なくする目的で超低位前方切除術を導入しています。

 良性疾患である胃粘膜下腫瘍に対する胃局所切除、潰瘍性大腸炎に対する大腸全摘術、胃十二指腸潰瘍せん孔に対する大網充てん術、急性虫垂炎に対する虫垂切除にも腹腔鏡下手術を積極的に取り入れています。

 集学的治療(手術、抗がん剤治療、放射線治療を組み合わせた治療)が必要な疾患には、消化器内科、放射線科と協力し最善の治療法を選択し施行しています。

(数字はH20年度データ)

診療内容(肝胆膵)

  肝胆膵領域の外科治療の対象は、悪性疾患では肝臓癌(原発性、転移性)、胆管癌、胆のう癌、膵臓癌など、良性疾患では胆石症、胆嚢炎、胆管結石などです。

 悪性疾患では最先端の診断機器を駆使して正確な診断と切除率の向上に努めています。さらに低悪性度腫瘍には機能温存を目的とし、脾温存膵体尾部切除術、十二指腸温存膵頭切除術、膵横断切除術、経十二指腸的乳頭切除術なども取り入れています。手術件数は肝臓癌に対する肝切除35例、胆管癌・膵臓癌に対する膵頭十二指腸切除(肝切除併用を含む)でした。

 良性疾患に関しては、急性胆石性胆嚢炎には急性期早期の腹腔鏡下胆嚢摘出術を基本としており(180例)、現在までに総計2000例以上の腹腔鏡下胆嚢摘出術を行っています。

 また副腎の腫瘍性病変にも腹腔鏡下手術を行っています。

(数字はH20年度データ)

診療内容(ヘルニア)

 そけいヘルニア、大腿ヘルニアが中心になります。小児そけいヘルニアは全身麻酔下にはぼ全例が日帰り手術(同日退院)で行なっています(60例)。また成人のそけい及び大腿ヘルニアの場合、局所麻酔下にメッシュを用いたTension-Free法(メッシュプラグ法、ダイレクトクーゲル法)で行なっており1泊2日の短期入院が主流になっています(232件)。

診療内容(肛門疾患)

 当院には肛門外科があり、肛門疾患の(痔核、痔瘻、裂肛など)の治療を行っております。詳細は肛門外科の項を参照下さい。

診療内容(その他)

  腸閉塞、消化管せん孔性腹膜炎、急性虫垂炎、腹部外傷など緊急手術も多数行っています。消化管穿孔性腹膜炎、急性虫垂炎では可能な場合は腹腔鏡下手術を行うようにしています。

ストーマ外来

 ストーマ外来は、人工肛門・人工膀胱を造設後の方とご家族を対象にした外来です。退院後の生活が快適に過ごせますように、皮膚・排泄ケア認定看護師(Wound,Ostomy and Continence Nursing)を中心にセルフケア指導や日常生活・排泄の相談を中心にお受けしております。 お気軽にご相談ください。

●外来日

■消化器ストーマ外来  第1月曜日午後・毎週水曜日午後
■尿路ストーマ外来   第3月曜日午後・毎週水曜日午後

完全予約制です。
ご予約は主治医の先生に相談するか、外科外来にお問い合せください。
外来外科:電話0267-82-3131(内線220)
中島文香(皮膚・排泄ケア認定看護師)