消化器外科
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診療内容
特色
食道から直腸肛門までの消化管疾患と肝臓・胆嚢・胆管・膵臓の疾患に対して外科診療を行います。
がんを中心とした悪性疾患から、炎症・腸閉塞・鼠径ヘルニア・良性腫瘍など良性疾患、さらに救急疾患に対する治療を主に行います。主に手術加療を中心とした診療体制です。診療内容
消化器外科は診療体制が臓器別グループに分かれており、消化器がん手術に関しては各専門医が診療を担当いたします。良性疾患、救急疾患に関しては全グループにて対応いたします。
● 上部消化管外科(食道、胃領域)グループ (責任者:竹花卓夫)
● 下部消化管外科(結腸、直腸領域)グループ (責任者:秋山 岳)
● 肝胆膵外科(肝胆膵領域)グループ (責任者:恩田真二)
■上部消化管外科
上部消化管外科では食道疾患、胃疾患の外科治療を担当しています。
食道がん、食道胃接合部がん、胃がん、胃粘膜下腫瘍(GIST)を主に取り扱っており、進行度および全身状態に応じて手術術式を選択しています。食道がんに対しては、胸腔胸手術を第一選択としており、根治性と低侵襲性の両立を目指しています。胃がんに対しても積極的に腹腔鏡手術を用いており、胃がん手術全体の約半数を腹腔鏡手術で行なっています。食道がん、胃がんともに進行がんでは、腫瘍内科・消化器内科と協力し、術前・術後の化学療法を組み合わせた集学的治療を行い、治療成績の向上に努めています。胃粘膜下腫瘍では内視鏡内科による内視鏡治療と同時に行う合同手術(LECS)を積極的に行い、術後QOLも重視した手術方法を工夫しています。
消化管穿孔による腹膜炎、腸閉塞症、鼠径ヘルニア、虫垂炎、胆嚢炎などの診察も行なっており、緊急手術にも迅速に対応しています。
■下部消化管外科
結腸および直腸がん手術の98%を鏡視下手術で行なっております。
がんの進行度に応じた手術術式を選択して、術前カンファレンスにて最終決定を行います。また、良性疾患(虫垂炎・憩室炎・胃および大腸穿孔などの腹膜炎症例・腸閉塞・ヘルニア)に対しても97%は鏡視下手術で行なっております。
■肝胆膵外科
主に肝臓、胆嚢、胆管、膵臓の病気を担当しています。消化器がんに共通して、手術で患部を取り除くことは、病気を治すために最も効果的な治療法となります。しかしながら、病気の進行度によっては切除が困難な患者さんもおられ、肝・胆・膵の領域ではそのような患者さんが特に多くなっています。
我々は地域の拠点病院の使命として、一般的には切除が困難な患者さんに対しても、病院一丸となった協力体制と確実な技術で切除の可能性を追求しています。日本肝胆膵外科学会が、“安全で確実な肝胆膵領域手術を提供できる医師”を肝胆膵外科高度技能専門医として厳密な審査にて資格認定しており、2020年6月現在、全国で359名ほどが認定を受けています。当院には1名の有資格者が常勤しております。
また、当院は2019年6月に高度技能専門医修練施設(A)に認定されました。長野県内のA認定施設は当院を含めて2施設のみです。肝胆膵外科手術の中でも、より難度が高い術式に関して、①年間の手術件数が多いこと、②選択した術式が的確であること、③手術時間や出血量に問題がないこと、④患者さんの手術後の経過が良いこと、などが外部機関によって厳正に審査され、認定されました。大きな手術が多い領域ですが、患者さんに安心して当院で治療を受けていただきたいと思います。