診療科の特色
食道から直腸肛門までの消化管疾患と肝臓・胆嚢・胆管・膵臓の疾患に対して外科診療を行います。
がんを中心とした悪性疾患から、炎症・腸閉塞・鼠径ヘルニア・良性腫瘍など良性疾患、さらに救急疾患に対する治療を主に行います。主に手術加療を中心とした診療体制です。
2022年度から胃がん、直腸がんに対してダヴィンチ(手術支援ロボット)による手術を開始しています。ダヴィンチについての説明はこちらから。
診療内容
消化器外科は診療体制が臓器別グループに分かれており、消化器がん手術に関しては各専門医が診療を担当いたします。良性疾患、救急疾患に関しては全グループにて対応いたします。
- 上部消化管外科(食道、胃領域)グループ(責任者:竹花 卓夫)
- 下部消化管外科(結腸、直腸領域)グループ(責任者:秋山 岳)
- 肝胆膵外科(肝胆膵領域)グループ(責任者:恩田 真二)
上部消化管外科
上部消化管外科では食道疾患、胃疾患の外科治療を担当しています。
食道がん、食道胃接合部がん、胃がん、胃粘膜下腫瘍(GIST)を主に取り扱っており、進行度および全身状態に応じて手術術式を選択しています。食道がんに対しては、胸腔胸手術を第一選択としており、根治性と低侵襲性の両立を目指しています。胃がんに対しても積極的に腹腔鏡手術を用いており、胃がん手術全体の約半数を腹腔鏡手術で行なっています。食道がん、胃がんともに進行がんでは、腫瘍内科・消化器内科と協力し、術前・術後の化学療法を組み合わせた集学的治療を行い、治療成績の向上に努めています。胃粘膜下腫瘍では内視鏡内科による内視鏡治療と同時に行う合同手術(LECS)を積極的に行い、術後QOLも重視した手術方法を工夫しています。
消化管穿孔による腹膜炎、腸閉塞症、鼠径ヘルニア、虫垂炎、胆嚢炎などの診察も行なっており、緊急手術にも迅速に対応しています。
下部消化管外科
主に手術が必要な大腸疾患を担当しています。
結腸および直腸がん手術はほぼ全てを鏡視下手術で行っており、直腸がんに対してはロボット手術を導入して積極的に施行しております。結腸がんに対するロボット手術は2023年7月に導入いたしました。
局所および全身への進行がんでは抗がん剤や放射線治療との組み合わせを前提に消化器内科、腫瘍内科、放射線治療科などと協議し、がんの治る治療方針を目指しております。
直腸がんの外科治療では人工肛門についての心配があると思います。手術はがんがきれいに取れること優先させたうえで機能温存と生活の質の向上に努め、それぞれの患者さんの価値観とライフスタイルに配慮して手術方法を決定しています。
また、良性疾患(虫垂炎・憩室炎・胃および大腸穿孔などの腹膜炎症例・腸閉塞・ヘルニア)に対しても原則的に鏡視下手術で行っております。
直腸脱に対しては短時間、腹部操作不要という点で体にやさしい経肛門的直腸切除術を選択しており、県内で施行可能な施設が少ないため遠方からの患者さんにも受診いただいております。
大変ありがたいことに多くの患者さんが当院を選択くださっているため、外来や手術でお時間をいただくこともありますが、一人ひとりの患者さんを大切に安全な手術を心がけていますので、どうか安心して受診いただければと思います。
肝胆膵外科
当グループでは主に、肝臓、胆道、膵臓、脾臓の悪性腫瘍および良性疾患の外科治療を担当しております。特に、難治癌である肝胆膵癌に対する近年の分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬を含めた化学療法の進歩は著しく、これまで予後不良であった進行癌に対しても、手術と化学療法を組み合わせた治療で根治が望める可能性があります。当院では、病院一丸となった診療科・診療部署間の協力体制のもとで、科内カンファレンスおよびキャンサーボードで適切な術前評価・治療方針の決定を行い、安全で正確な外科手術を行っております。同時に、高度治療室・集中治療室での術後管理、周術期の化学療法・放射線療法など、治療成績向上を目指した診療を行っております。
当グループでは、肝切除、膵切除ともに年間約70件ずつ行っており、近年では鏡視下手術を積極的に実施しております。2022年は腹腔鏡下肝切除53件、腹腔鏡下膵切除20件(うち腹腔鏡下膵頭十二指腸切除2件)行いました。県内において有数の手術件数であり、術後在院日数が短縮され良好な短期成績が得られております。また、当院は日本肝胆膵外科学会が認定する高度技能専門医修練施設A(県内2施設のみ)に認定されており、高度技能専門医が常勤しており、年間約100件の肝胆膵外科高難度手術を行っており、肝胆膵外科のハイボリュームセンターとして今後も地域の拠点病院としての役割を果たしていく所存です。
消化管疾患
良性疾患:鼠径ヘルニア・大腿ヘルニア・腹壁瘢痕ヘルニア・閉鎖孔ヘルニア・直腸脱・虫垂炎・憩室炎・腸閉塞・虚血性腸炎・慢性炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病など)・腹腔内膿瘍や骨盤内膿瘍など。
肝胆膵疾患
肝臓がん(原発性、転移性)、胆管がん、胆嚢がん、膵臓がん、十二指腸乳頭部がん
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部長/統括外科部長
竹花 卓夫専門分野 消化器外科(食道・胃)
取得資格 日本外科学会 専門医
日本消化器外科学会 専門医・指導医
日本消化器病学会 専門医・指導医
日本食道学会 食道科認定医・食道外科専門医
日本内視鏡外科学会 技術認定医【消化器・一般外科(胃)】
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
消化器がん外科治療認定医
医学博士所属学会 日本外科学会
日本消化器外科学会
日本消化器病学会
日本食道学会(評議員)
日本胃癌学会(代議員)
日本内視鏡外科学会
日本臨床外科学会 -
部長
恩田 真二専門分野 消化器外科(肝胆膵)
取得資格 日本外科学会 専門医・指導医
日本消化器外科学会 専門医・指導医
日本消化器病学会 専門医・指導医
日本肝臓学会 肝臓専門医・指導医
日本肝胆膵外科学会 高度技能専門医
日本胆道学会 指導医所属学会 日本外科学会
日本消化器外科学会
日本消化器病学会
日本肝臓学会
日本肝胆膵外科学会
日本胆道学会
日本コンピュータ外科学会
癌治療学会
日本内視鏡外科学会 -
部長
秋山 岳専門分野 下部消化管
取得資格 日本外科学会 専門医
日本内視鏡外科学会 技術認定医【消化器・一般外科(大腸)】所属学会 日本外科学会
日本消化器外科学会
日本内視鏡外科学会
日本臨床外科学会
日本大腸肛門学会
日本腹部救急医学会
日本ヘルニア学会 -
副部長
山本 一博専門分野 上部消化管
取得資格 日本外科学会 専門医
日本消化器外科学会 専門医・消化器がん外科治療認定医
日本食道学会 食道科認定医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医所属学会 日本外科学会
日本消化器外科学会
日本内視鏡外科学会
日本臨床外科学会
日本胃癌学会
日本食道学会 -
副部長
真岸 亜希子専門分野 下部消化管
取得資格 日本外科学会 専門医
日本内視鏡外科学会 技術認定医【消化器・一般外科(大腸)】所属学会 日本外科学会
日本消化器外科学会
日本内視鏡外科学会
日本臨床外科学会 -
医長
河合 俊輔取得資格 日本外科学会専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医所属学会 日本外科学会
日本消化器外科学会
日本消化器病学会
日本内視鏡外科学会
日本腹部救急医学会 -
医長
堀内 尭取得資格 日本外科学会 専門医
日本消化器外科学会 専門医
医学博士所属学会 日本外科学会
日本消化器外科学会
日本肝胆膵外科学会
日本内視鏡外科学会
日本消化器病学会
日本内視鏡学会
日本臨床外科学会 -
医師
恒松 雅専門分野 消化器外科(肝胆膵)
取得資格 日本外科学会 専門医
日本消化器外科学会 専門医・消化器がん外科治療認定医
日本消化器病学会 専門医
日本肝臓学会 肝臓専門医
日本消化器内視鏡学会 専門医
日本外科感染症学会
日本腹部救急医学会 認定医・評議員所属学会 日本外科学会
日本消化器外科学会
日本消化器病学会
日本肝臓学会
日本消化器内視鏡学会
日本外科感染症学会
日本腹部救急医学会
日本ヘルニア学会
日本肝胆膵外科学会
日本内視鏡外科学会
日本膵臓学会
日本臨床外科学会
日本癌治療学会 -
医師
當間 大樹専門分野 上部消化管
取得資格 麻酔科標榜医
所属学会 日本外科学会
日本臨床外科学会 -
医師
羽村 凌雅取得資格 日本外科学会 専門医
医学博士所属学会 日本外科学会
-
医師
遠藤 秀俊取得資格 日本外科学会 専門医
所属学会 日本外科学会
日本消化器外科学会
日本内視鏡外科学会
日本臨床外科学会
日本胃癌学会
日本食道学会 -
医師
依田 惇志所属学会 日本外科学会
日本消化器外科学会
日本内視鏡外科学会
日本臨床外科学会 -
医師
郡 真裕子
消化器外科
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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午前 |
秋山岳
杉原毅彦
(第2・4) 真岸亜希子
(第1・3・5) |
恩田真二
堀内尭
真岸亜希子
(第2・4) |
竹花卓夫
河合俊輔
遠藤秀俊
ヘルニア外来
|
秋山岳
羽村凌雅
ヘルニア外来(第2・4)
|
竹花卓夫
|
|
午後 |
真岸亜希子
(第1・3・5) ヘルニア外来
|
恩田真二
恒松雅
真岸亜希子
(第2・4) |
河合俊輔
遠藤秀俊
|
依田惇志
(第2・4) ヘルニア外来
(第1・3・5) |
當間大樹
|
2022年度実績
外来初診患者数 | 1,044 |
---|---|
新入院患者数 | 1,299 |
手術件数
主要疾患 | 件数 | |
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胸腔鏡下食道悪性腫瘍手術 | 19 | |
胃切除術 | 腹腔鏡下胃切除術 | 48 |
開腹下胃切除術 | 33 | |
肝切除術(腹腔鏡下) | 63 | |
開腹下肝切除 | 13 | |
膵切除術 | 膵頭十二指腸切除術(開腹下) | 37 |
膵頭十二指腸切除術(腹腔鏡下) | 6 | |
膵体尾部切除術 (開腹下) |
1 | |
膵体尾部切除術 (腹腔鏡下) |
19 | |
結腸直腸悪性腫瘍手術 |
結腸切除術 (腹腔鏡下) |
92 |
直腸切除切断術 (腹腔鏡下) |
47 | |
開腹下直腸切除 |
22 | |
開腹下結腸切除術 | 6 | |
腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 274 | |
腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術 | 155 | |
腹腔鏡下虫垂切除術 | 72 | |
その他 | 583 |
消化器外科は診療体制が各臓器別に分かれており、上部消化管(食道、胃)グループ(責任者:竹花卓夫)、下部消化管(結腸、直腸)グループ(責任者:秋山 岳)、肝胆膵グループ(責任者:恩田真二)となっています。
上記医師の外来日以外をご希望の方は、ご連絡いただければ対応いたします。
ご紹介の場合、事前に紹介状および可能な範囲で画像の添付があると幸いです。なるべく早急に対応すべく、専門医の判断で受診時当日検査を行う場合があります。腹部に関しては腹部造影CTなどの検査が受診時に行われる場合がありますので、食事摂取の有無、糖尿病の有無、内服薬の情報をお願いできれば幸いです。
緊急を要する場合は予約センターにお伝えください。専門医を介し早急に対応するようにしたいと思います。進行が早い疾患もありますので、手術適応か迷う場合や診断に苦慮する場合でも、他科との連携で対応いたしますので早めにご紹介いただけますと幸いです。
受診について
佐久医療センターは紹介型・
予約制の病院です。
ご本人ではなく、かかりつけ医を通じ、事前に紹介状を送ってください。
診療日
- 平日 8:30~17:00
- 第2・4土曜 8:30~12:30
休診日
第1・3・5土曜日、
日曜日・祝日・年末年始