形成外科
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診療内容
特色
佐久医療センターは日本形成外科学会、日本手外科学会の認定施設です。佐久医療センターでは形成外科専門医が専門医をめざす専攻医、初期研修医らとともに形成外科一般の診療を行います。
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取り扱っている主な疾患
■熱傷・凍傷・化学損傷・電撃傷
軽症から重症までの熱傷治療を行なっております。重症熱傷患者さんに対しては、ICUに熱傷患者さん専用ベッドを備えており、救急医、リハビリテーション科、栄養科、精神科とも連携して診療を行います。熱傷に関しては、広範囲のもの、深くて重症と思われるもの、顔面・陰部・手足など整容的・機能的に障害が生じると思われる部位を受傷しているものは入院が必要と考えられるものです。また、小範囲であっても、体力や抵抗力の低い小児や高齢者、重篤な合併症がある方もご紹介ください。
■顔面外傷
軟部組織損傷に対する創処置、鼻骨骨折、頬骨骨折、眼窩底骨折などの顔面骨折の整復手術を行います。頭部外傷を伴うものは脳神経外科と協働で治療を行います。なお、咬合に関係する上・下顎の単独骨折は本院で歯科口腔外科が治療を行います。顔面多発骨折の場合、必要に応じて歯科口腔外科や耳鼻咽喉科とも協同で治療を行います。
■手足の外傷・手指(趾)の切断
手指(趾)の神経・血管・腱損傷、骨折、切断指(顕微鏡下再接着や断端形成、皮弁形成、植皮等が必要)、組織欠損創、汚染創に対応しております。必要に応じてリハビリテーション科医師、作業療法士らと協同で治療にあたります。整形外科と担当日を分担していますので、詳しくは形成外科外来または救急外来に直接お尋ねください。
■その他、上肢の外傷・下肢・体幹の外傷、外傷後の組織欠損
皮膚移植や皮弁形成術を必要とするような重症のケガが対象です。皮下血腫・筋肉内血腫、コンパートメント症候群も含まれます。
■唇裂・口蓋裂
唇裂・口蓋裂は、佐久医療センターの形成外科または本院の歯科口腔外科を窓口としてご紹介ください。形成外科では、患者さんのご家族には、治療の説明と同時に口唇・口蓋裂診療の手引き(診療手帳)をお渡ししております。
当院の口唇・口蓋裂チームは、佐久医療センター(形成外科、歯科口腔外科、小児科、耳鼻咽喉科、産婦人科)と本院(歯科口腔外科、リハビリテーション科)とで連携しており、患者さん情報を共有し、治療の時期に合った適切な治療とケアを行なっております。
なお、口唇・口蓋裂の手術は北里大学形成外科スタッフ医師の協力のもとに行なっております。また、口蓋裂に合併しやすい中耳炎の治療は耳鼻科で、顎裂骨移植や顎変形症に対する治療と手術は本院の歯科口腔外科、歯科矯正治療は提携する歯科開業医の元で行なっております。
■頭蓋・顎顔面・耳介の先天異常
耳介や頚部の先天異常:折れ耳・埋没耳(生後できるだけ早くご紹介ください。新生児期は矯正治療が可能なものがあります)、小耳症・頚耳・正中頚嚢胞など。
■四肢の先天異常
多指(趾)症、合指(趾)症、多合趾症、短指(趾)症、巨趾症など。
■体幹・その他の先天異常
臍ヘルニア、臍突出症
■良性腫瘍
母斑・脂肪腫・血管腫、ガングリオン(穿刺吸引または摘出手術を要する)などです。小児や高齢者、全身麻酔や入院が必要な場合、腫瘍が小さなものでも顔面・手足のような特殊部位にある場合は紹介してください。乳児血管腫(苺状血管腫)では小児科と協同で内服治療を行います。
■悪性腫瘍
頭部・顔面・体幹・四肢の皮膚がんの切除
■腫瘍切除後の組織欠損
悪性腫瘍の切除に伴う皮膚・軟部組織の再建を行います。
■瘢痕・瘢痕拘縮・ケロイド
傷あとやひきつれに対する形成手術、ケロイドの保存的治療や手術療法を行います。必要に応じて放射線治療も行います。
■褥瘡(床ずれ)
寝たきりによる仙骨部や尾骨部の褥瘡、下肢の褥瘡、坐骨部褥瘡などが対象です。佐久医療センターでは手術療法(切開排膿・デブリードマンから皮弁形成までの再建術)が必要な方が対象ですが、軽症でも圧やズレの評価や予防の指導も行います。リハビリテーション科医師、理学療法士、栄養士、皮膚・排泄ケア認定看護師らと協働して治療にあたります。なお、急性期を乗り越えたものの、手術による創閉鎖の適応にはならず、長期的に保存的治療が必要と判断された場合、あるいはお看取りになると予想された場合は原則、紹介元にお返しします。紹介元に返せない場合は、近隣の適切な医療施設や福祉施設に紹介、あるいは在宅で治療を継続していただくことになりますので、紹介元の先生方にはご理解とご協力をいただきたくお願いいたします。医療圏内・医療圏外ともに相互の連携を大切にします。
■その他の潰瘍
糖尿病や下肢虚血による足・足趾の壊疽、静脈瘤に伴う下腿潰瘍、膠原病に伴う皮膚潰瘍、壊疽性膿皮症、心臓手術後の縦隔炎、がん切除後の放射線障害(皮膚潰瘍)に対する治療や再建など。必要に応じて、循環器内科(医療センター)、心臓血管外科(本院・医療センター)、皮膚科・膠原病内科(本院)との協同で治療にあたります。
■皮膚軟部組織感染症
丹毒・蜂窩織炎・皮下膿瘍・壊死性筋膜炎・フルニエ壊疽などの重症疾患。
■眼瞼下垂
・先天性眼瞼下垂・筋原性眼瞼下垂:筋膜移植によるつり上げ手術を行います。
・後天性眼瞼下垂:前転法、その他の方法(眉毛下皮膚切除等)で行います。出血傾向や重篤な合併症のある方、超高齢者は主に佐久医療センターで手術を行い、それ以外の方は本院でも手術を行っております。本院のページもご覧ください。
■レーザー治療
太田母斑、蒙古斑・異所性蒙古斑などの青アザ。小児の太田母斑、蒙古斑・異所性蒙古斑は全身麻酔下でレーザーを照射します(午前中)。全身麻酔によるレーザー施術後は経過を観察するため半日の入院が必要です。問題がなければ施術当日の午後に退院となります。以上は、保険適応疾患です。シミも対象としておりますが、自費診療となります。(保険は使えません)
■陥入爪・巻き爪
爪外来で対応します。手術法に頼らない3TO(VHO)による矯正治療を行っています(自費)。保存的治療に抵抗するものに関しては手術療法を考慮します。
■わきが(腋臭症)
当センターでは、わきが(腋臭症)手術を行っています。通常、全身麻酔下で行いますが、希望があれば局所麻酔でも行います。原則入院が必要です。
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実績
2021年度実績
患者数 人 外来初診患者数 617 新入院患者数 345
2021年診療実績
実施内容 件数 外傷 272
先天異常 9 腫瘍 340 瘢痕・瘢痕拘縮・ケロイド 34 難治性潰瘍 111 炎症・変性疾患 69 美容(手術) 0 その他 46 レーザー治療 29 計 910 -
医師紹介
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- 部長 窪 昭佳 (くぼ あきよし) 卒年2007
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専門分野
・形成外科一般
・手外科 -
取得資格
・日本形成外科学会 専門医・指導医・皮膚腫瘍外科分野指導医・再建・マイクロサージャリー分野指導医
・日本手外科学会 専門医
・VHOライセンス -
所属学会
・日本形成外科学会
・日本手外科学会
・日本熱傷学会
・日本創傷外科学会
・日本マイクロサージャリー学会
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- 医長 上原 理恵 (うえはら りえ) 卒年2005
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専門分野
・形成外科一般
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取得資格
・日本形成外科学会 専門医・指導医・皮膚腫瘍外科分野指導医
・日本創傷外科学会 専門医
・VHOライセンス
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所属学会
・日本形成外科学会
・日本熱傷学会
・日本口蓋裂学会
・日本褥瘡学会
・日本創傷外科学会
・日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
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- 形成外科専攻医 油井 佐恵子 (ゆい さえこ) 卒年2018
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専門分野
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取得資格
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所属学会
・日本形成外科学会
・日本熱傷学会
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- 形成外科専攻医 江郷 隼一郎 (えごう しゅんいちろう) 卒年2020
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専門分野
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取得資格
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所属学会
・日本形成外科学会
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- 顧問 大谷津 恭之 (おおやつ やすゆき) 卒年1982
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専門分野
・形成外科一般
・手外科(外傷・先天異常)
・熱傷
・褥瘡
・創傷治癒 -
取得資格
・日本形成外科学会 専門医・指導医・皮膚腫瘍外科分野指導医
・日本手外科学会 専門医
・日本創傷外科学会 専門医 -
所属学会
・日本形成外科学会
・日本手外科学会
・日本創傷外科学会
・日本熱傷学会および甲信地方会
・日本褥瘡学会および関東甲信越地方会
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形成外科
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紹介時のお願い
診療内容をご覧いただき、地域医療連携室にご連絡ください。治療後は、紹介元でフォローが適当と判断されましたら、紹介元にお返しするか、近隣の医療施設に紹介いたします。