循環器内科
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診療内容
特色
急性心筋梗塞や急性心不全などの循環器緊急疾患に24時間365日対応しています。冠動脈疾患や末梢血管疾患に対するカテーテル治療、不整脈や重症心不全に対するペースメーカー治療やカテーテルアブレーションなど高度で専門的な治療を行います。心臓血管外科のバックアップのもと、安心安全な医療を提供するとともにハートチームで最善の治療方針を決定します。
診療内容
■冠動脈疾患
経皮的冠動脈治療に関しては、バルーンやステントのみならずロータブレーターも導入し、高度石灰化病変にも対応しています。プレッシャーワイヤーを用いて虚血評価に基づいた冠動脈治療(Physiological PCI)を実践しています。多枝病変や複雑病変に対しては心臓血管外科と協議し、バイパス術(CABG)を依頼するだけでなく、患者さんの背景を考慮してPCIとCABGを併せたハイブリッド治療を行う場合もあります。急性心筋梗塞に対しては、搬送時から再還流までの時間(Door to balloon time)をできるだけ短縮し、梗塞範囲を縮小するよう努力しています。2019年から補助循環用ポンプカテーテルインペラ(IMPELLA)を導入し、心原性ショック症例に使用しています。
■不整脈
頻脈性不整脈に対してはカテーテル心筋焼灼術を行なっています。徐脈性不整脈に対するペースメーカー治療では心機能を考慮してHis束や左脚などの刺激伝導系ペーシングを積極的に導入し、適応があればリード挿入の必要がないリードレスペースメーカーが可能です。心室性不整脈による突然死予防に植込み型徐細動器治療(ICD)を行なっていますが、患者さんにより皮下植込み型除細動器(S-ICD)が可能です。
■心不全
急性心不全に対する初期対応を迅速に行います。新たな心不全治療薬も含めた標準的薬物療法を行い、重症心不全例に対しては在宅酸素療法(HOT)や補助換気療法(ASVやCPAP)などを導入、適応があれば心不全に対するペースメーカー治療(心室再同期療法(CRT))を行います。心臓血管外科と協力し、経皮的心肺補助(PCPS)、植込み型人工心臓などの心不全に対する集学的治療を行なっています。特殊な心筋疾患(サルコイドーシス、アミロイドーシスなど)に対しても専門的な評価を行い、的確な診断と治療を行いますのでご相談ください。本院の地域ケア科と協力しながら、心不全終末期患者の在宅医療をバックアップしています。
■心臓弁膜症
開心術のリスクの高い重症大動脈弁狭窄症に対して、経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)を行なっています。過去5年間で約200例の治療を行い、良好な成績をあげています。
■末梢血管疾患
末梢動脈疾患に対しては薬物治療や運動療法を最大限に行なったうえで血管内治療(EVT)の適応を検討します。腎動脈や下肢動脈の治療で腎機能の低下した症例には炭酸ガス造影を使用します。複雑病変に対しては心臓血管外科と治療方針を協議し、それぞれ単独では治療完結できない症例には外科的治療とEVTを併せたハイブリッド治療を積極的に行なっています。また形成外科と協力しながら重症下肢虚血の包括的介入を行なっています。
■肺高血圧症
肺高血圧に対する専門的な評価や薬物治療も行っており、エポプロステノールの持続静注にも対応しています。呼吸器内科、膠原病科、血液内科などと連携しながら知慮方針を決定しています。
■難治性(治療抵抗性)高血圧
高血圧専門医が対応し、薬剤の調節や二次性高血圧の鑑別を行います。
■心臓リハビリテーションと予防
心臓手術後、心筋梗塞後、心不全などの患者さんに対して外来も含めた包括的心臓リハビリテーションを行なっています。コメディカルと協力しながら「心臓病教室」を定期的に開催し、内服薬の説明や栄養管理も含め心臓病の予防について啓発活動を行なっています。市民公開講座を定期的に開催し、地域連携を深めています。
■循環器生理検査
心臓超音波検査は循環器疾患の診断に欠かせない検査ですが、経食道心エコーや3Dエコーも積極的に導入し、心臓弁膜症の詳細な評価を行なっています。トレッドミル運動負荷試験を虚血性心疾患のスクリーニングなどに行なっていますが、さらに呼気ガス分析を併用した心肺運動負荷試験(CPX)も積極的に取り入れ、運動耐容能を客観的に評価しながら心臓リハビリテーションの運動処方や心臓移植適応患者さんの適応決定を行なっています。
■循環器画像診断
放射線診断科と協力しながらqualityの高い画像診断を行なっています。320列CTによる迅速かつ正確な冠動脈病変の評価を行なっています。腎臓の悪い方は心筋シンチグラフィで心筋虚血の評価を行います。心筋脂肪酸代謝や心臓交感神経機能などの評価も可能で、心疾患の診断や治療方針に役立てています。心サルコイドーシスに対する18F-FDG PETも適切なプロトコルを用いて的確に診断します。心臓MRIも、心疾患の鑑別や心機能や心筋バイアビリティー評価目的に行われ、鑑別診断や治療方針決定に役立てています。
■外来診療
毎日、紹介患者さんを専門に診察する医師を新患外来に配置し、迅速な診療を心がけています。不整脈外来、心不全外来、心臓弁膜症外来、肺高血圧外来、末梢血管専門外来、心リハ外来など専門的な外来診療も行います。